京都府は22日、向日町競輪事業外部有識者会議を開催。再整備の参考事例として広島競輪場などの取組を報告した。
向日町競輪事業を巡っては、2月に今後のあり方に関する基本的な考え方をとりまとめ。包括民間委託の終了後の令和7年度以降も継続することを決定した。
今回の外部有識者会議は、令和5年度中に策定予定の基本構想のとりまとめに向け、その参考となる取組として、京都府立京都スタジアム(サンガスタジアム by KYOCERA)と、広島競輪場、高松競輪場、久留米競輪場の再整備の取組を報告した。
京都スタジアムは、指定管理者制度やネーミングライツ(命名権)の導入、メインとなる球技専用スタジアム以外に、スポーツクライミングやバスケットボールコート、足湯などのほか、賑わい創出エリアとして、eスポーツゾーン、コワーキングゾーン、VR/フィットネスゾーン、保育園などを設置し、スタジアムを核とした地域創生の取組を進めている。
他の競輪場の再整備の取組としては、広島競輪場では、老朽化した競輪場を自転車によるスポーツやレジャー等のニーズに対応する複合施設に再整備し、競輪事業及び自転車を活用したスポーツ振興等に係る事業の運営等を一体的に行う再整備・運営事業に取り組んでいる。事業者はチャリ・ロト。事業期間は令和4〜37年度。費用負担については、解体費は広島市負担、再整備費は事業者負担(新施設の所有権は事業者に帰属)、競輪事業包括委託費は広島市負担。
高松競輪場は、老朽化した施設の撤去や耐震改修等の安全対策を講じるとともに、競輪施設のコンパクト化を図る。コンパクト化で生まれる余剰地エリアは、サイクリストや家族連れらが気軽に訪れる場とする。また民間活力の導入を検討する。
久留米競輪場は「PARK in KEIRIN」をテーマに、芝生観覧スペースを整備し、レースのない日も楽しんでもらえる広場を計画。ユニバーサルデザインで全ての人が使いやすい施設を目指す。
府の外部有識者会議では、委員から「(向日町競輪場の再整備で発生する)余剰スペースを地域の賑わいと地域の経済活性化、スポーツ振興に生かしてほしい」「(競輪場の)南側には住宅地もあるため、ある程度のバッファーゾーン(緩衝地帯)も必要だが、周辺に賑わいがほしい」「屋外施設も必要だが、ドームのような屋内施設も併設できればいい」などの意見があった。
なお府は公募型プロポーザルの向日町競輪場基本構想策定支援業務について、チャリ・ロトを候補者に選定した。業務内容は@現状及び課題の整理A(今後10年間の)売上及び収支見通しの作成B整備方針の作成に当たっての検討(▽コンセプト及びゾーニング▽施設・機能の集約▽余剰スペースの活用イメージ▽整備手法)C整備後イメージ、想定事業費及びスケジュールの作成(施設・機能の集約などを踏まえた、整備後イメージ、想定事業費(競輪事業の継続に必要な施設に限る)及び全体スケジュール(今後10年間)の作成)Dその他(基本構想及び関連資料の整理など、基本構想の策定に附随する業務)E当該業務に係る報告(ア・令和5年8月下旬に基本構想(素案)を提出、イ・令和5年11月下旬に基本構想(案)(本体・概要版・関連資料)を提出、ウ・令和6年2月下旬に基本構想(本体・概要版・関連資料)を提出)。
契約期間は令和6年2月29日まで。