内灘町は16日までに、新図書館基本計画の素案をまとめた。2020年度に策定した基本構想では想定延べ床面積を2300平方メートルとしていたが、ゆとりのある開架スペースなどを確保するため、4100平方メートルに拡大した。総建設費は概算で29億1100万〜33億2100万円になると試算、平均値として31億1600万円を算出した。26年度の設計者選定、29年度の着工を目指す。
町は、昨年度に新図書館整備事業検討委員会が建設候補地や施設機能、サービスなどについて協議、取りまとめた提言を踏まえ、基本計画の素案を策定した。
素案によると、新図書館は複合施設型とし、主要機能として(1)子育て支援(2)地域住民交流(3)生涯学習(4)教育相談・支援(5)災害対応―の5つを備える。具体的には通常の開架スペースに加え、児童図書コーナーや研修室、広場、多目的ホール、会議室、調理室などを配置し、中高生や子育て世代、地域住民らが安心で心地よく過ごせるサードプレイスとなる空間を確保する。
建設予定地は鶴ケ丘4丁目にある鶴ケ丘県営住宅の敷地(面積約8600平方メートル)。80台分の駐車場を想定しており、周辺の林帯遊歩道では公園や駐車場としての活用を検討する。蔵書数は開架、閉架を合わせ17万冊を予定している。
事業手法については、住民サービスの向上やコスト縮減効果の最大化を図るため、民間ノウハウを適用したPPP(官民パートナーシップ)を検討するとした。
スケジュールでは、27年度に基本設計、28年度に実施設計を行った後、施工者を選定し、着工に備える。財源確保では、コンパクトなまちづくりを目指し居住と都市機能の2つの誘導区域を定める立地適正化計画を今年度から2カ年で策定する。25年度には都市再生整備計画をまとめ、27年度の補助金内示を見込む。基本計画策定業務は計画情報研究所が担当。
町は基本計画の素案に関するパブリックコメント(意見公募)を29日まで実施する。
現町立図書館(延べ979・15平方メートル)は町文化会館の2階部分に入り、1979年に開設された。閲覧・蔵書スペースの不足や狭小な駐車場などが課題となっており、近年多様化する町民ニーズに応えることが難しくとなっていた。