名古屋市上下水道局は、堀川上中流部・新堀川上流部のさらなる水質改善に向けた取り組みで2023年度、堀川沿いに敷設する雨水幹線の設計を開始する他、新堀川沿いに敷設する雨水幹線で初弾工を発注していく考えだ。三の丸地区の下水道分流化では、24年度の工事開始に向けて関係機関協議などを進める方針。
本年度に設計を開始する堀川沿いの雨水幹線は、三の丸地区の南側に位置する幹線で、新洲崎橋上流側(中区栄1丁目)〜景雲橋上流側(中区三の丸)までの延長2200b。設計で、集水エリア(12・5f)の管路基本設計をまとめた上で、シールド工法による幹線管渠の詳細を決める。立坑は2カ所。管渠敷設は、堀川左岸沿いを通る木挽町通直下がベストだとしているが、同線には地下埋設物が多いことも分かっており、設計の中で集水エリアや交通対策を踏まえて路線を決めていきたいとしている。設計は中日本建設コンサルタント(名古屋市中区)が担当。24年度の上半期内に設計をまとめる。
新堀川の雨水幹線は、堀留水処理センター〜記念橋間の左岸に敷設。延長は約500bで、さらなる水質改善に向けた雨水幹線の整備では初弾工となる。発注時期などを調整中のため詳細を明らかにしていないが、管径は1100_程度で推進工を採用するようだ。同区間の詳細設計は中部水工設計(名古屋市中川区)が担当した。
三の丸地区の下水道分流化は、敷設管の総延長は10`程度が見込まれる。基本は雨水管とし、一部が汚水管となる。管径は最大で1000_前後。開削工で施工する。詳細は実施設計の中で決める。本年度は設計の他、宅地内排水管の分流化調整など、関係機関協議を引き続き行う。24年度に開始する管渠の設計は、第一設計監理名古屋支店(名古屋市中区)が担当。27年度までの工事完了を目指す。
堀川・新堀川のさらなる水質改善の取り組みは、19年度に実施していく方針を示した。当時表明した雨水幹線の対策区間は、堀川は松重橋(中区)付近〜新堀橋(北区)付近、新堀川は堀留水処理センター〜富士見橋(中区)付近を想定しているとしていた。全体延長は約8`で、内訳は堀川が約7`、新堀川が約1`。
今回設計を開始した堀川雨水幹線と本年度に工事発注を計画する新堀川雨水幹線は、敷設当初は大雨時の既設合流管から河川への越流回数を減らす効果が期待されている。
提供:建通新聞社