日本工業経済新聞社(群馬)
2023/05/10
【群馬】前橋市が水質浄化センターで23年度にPPP/PFI導入の可否決定
前橋市が更新を計画している水質浄化センター(六供町1331)について、2023年度にPPP/PFI導入の可否を判断する。現在、導入可能性調査をパシフィックコンサルタンツ(東京都千代田区)が6月末をめどに進めており、完了後、導入するかを早期に判断する。PPP/PFIを導入する場合はアドバイザリー業務などを経て事業者の選定に、従来手法の場合は実施設計の委託を進めることとなる。事業は全体を3期に分け、25年度に第1期へ着手。その後49年度までの長期事業として整備を進める。
水質浄化センターは敷地面積5万800uに3系の処理設備を備えた施設。3系列のうち1系は、施設の稼働を休止している状況となっている。
施設の全面更新に当たっては、19年度に基本構想を策定。21年度に基本設計をまとめ、22年度からはPPP/PFIの導入可能性調査を実施している。また、3月末からは、PPP/PFI方式による事業の提案を受け付ける窓口を設置している。
設備更新は北側で隣接している六供温水プールを解体、その敷地を合わせての事業実施を計画。現在の3系列から2系列に変更。計画水量は新しい1系が1日あたり3万5400立方m、2系が1万7500立方mとしている。また、別施設で処理している、し尿処理や浄水汚泥も共同処理に転換。太陽光エネルギーの導入などについても想定している。
PPP/PFIの導入については、可能性調査の結果がまとまる6月30日以降に判断。導入する場合は、早期にアドバイザリー業務を委託。実施方針や要求水準書の作成や募集要項をまとめ、事業者の公募を始めることとなる。当初予算には、水質浄化センター更新事業として、アドバイザリー業務のほか、解体することとなる六供温水プールなどの移転補償費などを含めた事業費として1億1242万9000円を充てている。
従来手法で行う場合は、実施設計に移ることとなるが、1〜3期のどの部分までを委託するかなど調整が必要となりそう。
24年度以降の動きについては、基本設計の段階では24年度の六供温水プール解体から始まり、25年度に第1期事業に着手。37年度までに管理棟の建て替えや、し尿受入施設など新しい1系水処理施設を建設。38年度から42年度に第2期として汚泥処理施設を整備。第3期は、43年度から49年度で新2系水処理施設の建設を想定している。なお、長期間の事業となることから、流入水量の変動などによる施設規模の変更といった場合にも対応できるようにする。