富山県内の武道9団体と県営武道館で構成する「富山県武道協議会」の中川忠昭会長ら役員は9日、県庁に新田八朗知事を訪ね、新たな武道館の早期建設を要望した。
冒頭、中川会長が「武道の殿堂にふさわしい武道館に向け11万人以上の署名を集めており、我々の心を具現化してほしい。武士道に伴う精神をしっかり守り、生き抜くためにも施設が必要」と述べ、▽早期の竣工▽駐車場確保▽県営富山弓道場、県スポーツ協会相撲場の整備拡充−を求めた。これに対し、新田知事は「武道館としての整備を基本に、武道競技以外の機能、観客席の規模、建設場所などについて、他県の類似施設と比較して検討していく。2027年度中の開館が実現できるよう最大限努力する」との考えを示した。
富山駅近くに整備予定の武道館は、20年4月に基本計画を策定。21年3月の基本設計完了時に建設費を87億4000万円としていたが、資材価格高騰の影響で110億円程度に上振れする見通しとなり、検討委員会で整備方針の見直しを進めている。当初計画では、建設規模がRC一部S造4階建て延べ1万4799平方メートル。多目的利用の主道場や武道場、軽運動室などを設ける。場所は富山市千歳町の民間駐車場部分で、敷地面積5950平方メートル。基本設計は石本建築事務所・中川建築設計事務所JVが担当。