先の野々市市長選で再選を果たした粟貴章氏。旧野々市町長時代を含めると来期は5期目となる。市内外から関心を集める野々市中央公園拡張整備事業をはじめ、教育施設整備や子育て環境の充実、公共施設の長寿命化など山積する課題について伺った。
4回連続の無投票当選について「大変ありがたく思っていると同時に無投票ということで、より責任の重さを感じている。これからも市民の皆さんと一緒に市民協働の良いまちをつくっていければいい」と率直に話す。
主要事業である中央公園拡張整備事業では、新たなアリーナ施設やサッカー場、陸上競技場などが計画されている。来年度の事業認可を目指し、今年度に測量などを実施する。「今後、アンケート調査などで市民の意見を聞きながら基本計画を策定する。事業手法はPFI・PPPも念頭に置いており、丁寧に事業を進めていきたい」と慎重な姿勢を見せる。
子育て・福祉施設の受け皿づくりにも傾注する。3歳未満児保育に関するニーズの高まりを受け、中央保育園の大規模改修を計画。今年度は実施設計を推し進める。「中央保育園に子育て相談機能を集約したい。発達相談センターの移転や子ども家庭センターの新設も検討する」と述べ、6月補正予算に関連費を追加計上する方針だ。
子育て支援施設の整備にあたっては民間事業者との連携も重視する。中林地区での幼保連携型認定こども園は社会福祉法人ミドリ保育園、旧粟田保育園跡地で計画する(仮称)あわだ総合福祉センターでは、社会福祉法人久楽会を整備事業者に選定した。このうち、あわだ総合福祉センターは地域交流の拠点として施設の一部が開放される。「今年中に着工し、来年度中の開業と聞いている。地域共生社会の実現に向けた施設として位置付けていきたい」と期待を寄せる。
一方、教育施設関係では今年度、布水中学校で校舎の増築工事に取り組む。老朽化が進む御園小学校についても公共施設個別施設計画で長寿命化改修の必要性を掲げている。2026年度以降に着手する見通しを示し、「学校運営協議会での内容の検討を踏まえ、事業を遅れなく進めていきたい」との見解を示した。
あわ・たかあき 1960(昭和35)年生まれ、日本大学法学部政治経済学科卒。県議会議員を経て2007年に旧野々市町長に初当選。11年4月に無投票で再選し、同年11月の市制移行で初代市長となり15、19年も無投票当選を果たしている。