市原市は28日開催の第1回臨時議会に、一般会計補正予算案第2号を上程する。地域公共交通網形成計画推進事業費2674万1000円を計上。「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律等の一部を改正する法律」が21日に成立し、ローカル鉄道に関する国の新たな支援策が創設されたことを踏まえ、小湊鐵道線の今後のあり方の検討に係る調査費を措置するもの。調査業務委託に向け、5月に一般競争入札または公募型プロポーザルを公告する。
業務では、小湊鐵道線が廃止された場合の代替施策に要する費用と、小湊鐵道線の運行に対して市が負担している費用の比較による多面的な効果(クロスセクター効果)を明らかにするほか、今後の設備改修に係る費用を積算。年度末までに調査結果を取りまとめる。
小湊鐵道は令和元年台風や新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、積極的に安全投資を行っていくことが困難な状況となっており、20日に市に対して支援を要請した。
これを受け、市は▽同法に基づく鉄道事業再構築事業▽従来からの支援制度である鉄道軌道安全輸送設備等整備事業▽市単独の支援▽利用促進施策――などから、支援の方向性を検討していくこととした。
鉄道事業再構築事業は、インフラ整備に取り組む自治体に対し、国が社会資本整備総合交付金などにより支援を行うもの。事業の実施には、国土交通大臣の認定が必要となる。認定に向けては、自治体または鉄道事業者からの要請などに基づき、国土交通大臣が再構築協議会を組織。協議会において「鉄道輸送の維持・高度化」と「バスなどへの転換」のいずれかにより利便性・持続可能性の向上を図るための方策について検討を行い、協議が整った場合には協議会が再構築方針を作成。認定を受けた後、再構築方針などに基づき、路線の特性に応じた鉄道輸送の高度化などを図っていくこととなる。
一方で、鉄道軌道安全輸送設備等整備事業は、安全な鉄道輸送を確保するために地域鉄道事業者が行う安全性向上に資する設備更新を国、県、市が支援するもの。補助対象設備は、レール、枕木、落石等防止設備、ATS、列車無線設備、防風設備、橋梁、トンネルなど。
こども園補助や/物価高騰対策も
そのほか、補正予算案では民間保育所等整備補助事業の3か年継続費を変更。最終年度に当たる23年度分に334万3000円を追加し、総額を2億8370万5000円とする。変更後の年割額は、21年度2208万7000円、22年度2億717万円、23年度5444万8000円。保育施設等整備に対する補助基準額改定に伴い、市原うさぎ認定こども園に対する補助金を増額するもの。
また、国の「物価高克服に向けた追加策等」に基づき、「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金(電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金)」を活用し、エネルギーや食料品価格などの物価高騰の影響を受けている市民や事業者への支援などの事業に要する経費を盛り込んでいる。
補正により16億9839万2000円を追加し、一般会計総額は1125億1662万2000円となる。