横浜市は、次期都市計画マスタープランに、土地利用制度を戦略的に活用する方針を盛り込む。具体的な施策は別途作成する「(仮称)土地利用誘導戦略」で示し、高層住宅の建設や大学の建て替えに伴う規制緩和を行う見通しだ。次期都市マスでは、おおむね20年後の2040年に目指すべき横浜の都市像を示す。本年度中に素案(案)を示し、24年度に都市計画審議会で審議を進め、25年度上半期に改定する。
4月18日に開いた第4回都市計画マスタープラン等改定検討小委員会で報告した。
土地利用制度の戦略的な活用は、次期都市マスに盛り込む都市づくりのポイントの一つ。横浜市に人を呼び込むため、(仮称)土地利用誘導戦略を別途まとめる方針だ。
都心部では住宅機能を強化する。現在、高層住宅を建設する場合、低層部に商業施設などを誘致することを条件に容積率を引き上げている。商業施設などの誘致に加え、屋外空間を整備することを条件として、住宅容積率を現行より緩和することを検討する。
また、大学の建設投資や機能強化を促す。建て替えや増築が難しい用途地域、または市街化調整区域に立地する場合に、土地利用制限の緩和策を考える。
郊外部の利便性が高い駅周辺のエリアを中心に人口誘導を行うことも検討している。
〜エリアごとの方向性も示す〜
都市マス改定後に18区それぞれのまちづくりの方向性を示す「区プラン」を策定する。加えて、区の枠を超えた広域的な視点でまちづくりを行う必要があることから、土地利用特性に応じたエリアを対象にまちづくりの方針を新たに定めることを検討している。
例えば、工業地域の場合には都心臨海部と郊外部に分けて、それぞれの土地利用の方針を示す。
〜次世代に誇れる横浜に〜
次期都市マスの都市づくりの基本理念は「未来をひらく 次世代に誇れる都市づくり」とする。
現行都市マスの基本理念は「新しい横浜らしさの創造と持続を支える都市づくり」。第2回小委員会で委員から横浜らしさ≠ニは何かを再考すべきという意見が出た。新たな基本理念は、漠然とした横浜らしさではなく、市民や日本、世界からみた横浜らしさとは何かを考えたもの。
生活・産業の拠点となるエリアの連携を強化するとともに、各エリアの特長を生かしたまちづくりを行う。
提供:建通新聞社