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建設新聞社
2023/04/24

【東北・宮城】仙台市が本庁舎建替え実施設計の進捗状況を公表

 仙台市は、本庁舎の建て替え整備事業に向けた実施設計の進捗状況と本年度の整備スケジュールについて、21日に開催した総務財政委員会で報告した。設計は石本建築事務所・千葉学建築計画事務所JV。
 実施設計の進捗状況は、外装計画や外構計画(広場)、滞留空間、環境配慮についての設計の考え方を公表。新本庁舎の外装は明るいグレー系の基調色とし、周辺環境と調和するシンプルな外装デザインとした。都市のランドマークにふさわしいアイキャッチとなる市章≠屋上頂部に設置。低層部の外壁面には大型デジタルサイネージ≠設置し、さまざまな情報を発信する。日射負荷抑制やビル風抑制への配慮のほか、設備機器等のメンテナンス通路として機能を備えたバルコニー≠高層部まで立体的に展開させ、統一感のあるデザインとなっている。
 庁舎敷地内には、市民が日常的に使うにぎわいや憩いの場として、滞留空間を随所に整備する。4つの広場には、▽市民広場と一体的に連続する広場▽低層棟に囲われた青空の広場▽天候に左右されない屋根付広場▽低層棟の玄関口としての広場―を設ける計画だ。
 環境配慮としては、低層部の第2期工事の建物について木造ハイブリッド構造を実現することや、エントランスホールなどの内装を木質化することによりカーボンニュートラルに向けた取り組みを発信する。
 本年度の整備スケジュールは、第1四半期から先行解体工事(設備配管など)に伴う切り回し工事を進め、第2四半期から議会棟、低層棟、噴水広場などの先行解体工事に着手する。第1期本体工事は11月に建築、電気設備、空気調和設備の3件をWTO対象工事で公告する。契約は2024年6月を予定している。
 仙台市青葉区国分町3の7の1ほか地内の現敷地約1万4595平方bで建て替える。1期工事で敷地南側に庁舎など、2期で北側に低層部を整備。施設規模は地下1階地上15階塔屋1階建て、延べ約6万2000平方b。高さは約80b。事業費は514億円のうち設計・建設費が427億円。
 構造は1〜15階がS一部CFT造、地下はRC一部SRC造で、低層部の一部にW造を検討する。2期分は地下1階地上2階建て、地下がRC造、地上は混構造。いずれも直接基礎を予定。防災拠点の観点から、1階床下に免震装置を設け、上層階に制振ダンパーと耐震ブレースを備えたハイブリッド構造とする。環境性能は竣工時のZEB Readyを想定している。

 提供:建設新聞社