石川県の西部緑地公園「新産業展示館整備検討部会」(委員長・西村幸夫國學院大學教授)の第3回会合が21日、県庁で開かれ、その中で大規模アリーナ機能を整備しないことなどを含んだ骨子案が示された。
骨子案では現1〜3号館を統合して作られる新産業展示館を現4号館の近接地に整備、一体的な利用を可能にする。また現在3館合計で約1万1000平方メートルの展示面積を拡大し、間仕切りなどで分割可能な展示ホールを設置、大中小の会議室やホワイエ(入口から広くとった通路・空間)などを備える。
このほか利便性向上を狙い近接する場所に立体もしくは平面駐車場を確保し、公園の緑と一体化した空間や、にぎわい創出のための空間を整備するとしている。
1万人規模の大型コンサートなどに対応できるアリーナ機能の整備については、これまで対応可能な施設として検討してきたが、小松市安宅新地内で北國フィナンシャルホールディングスが計画をすすめる「小松アリーナ」と機能が重複することから、見送られることとなった。
委員からは示された骨子案について「新展示館の完成メドは設けるべき」「雨や雪への配慮を盛り込んで欲しい」「今後のニーズ等の変化を考慮した、自由度と拡張性を持たせた施設を」などの意見が出された。
検討部会では、議論を踏まえて骨子案を取りまとめた上で、新展示館を含む公園全体について民間事業者からのマーケットサウンディング(直接対話での情報収集)とパブリックコメント(意見公募)を実施し、最終案を年内に取りまとめる予定としている。
石川県西部緑地公園再整備構想検討委員会の新県立野球場整備検討部会(部会長・青木隆金沢工大教授)の第3回会合が21日、県庁で開かれ、プロ野開催を見据えたグラウンドサイズとすることなどを盛り込んだ事務局の骨子案を了承した。
コンセプトは「子どもたちに夢と希望を与え、賑わいの拠点となる野球場」(プロ野球誘致、高校野球の聖地に相応しい環境など)とし、ビジョンとして(1)県民が憧れ、誇りを持てる野球場(2)選手ファーストのプレー環境の充実(3)誰もが楽しく観戦できる環境整備(4)環境負荷軽減・ユニバーサルデザインによる施設設備(5)利便性の向上や賑わいの創出―の5点を据えた。
「県民が憧れ、誇りを持てる野球場」では、プロ野球規格である両翼99・1メートル以上、中堅122メートル以上とし、観客席2・5〜3万人を確保するほか、大型映像・LED一体型のスコアボードを導入する。
「選手ファーストのプレー環境の充実」では、選手の身体的負担が少ない天然芝(内野は土)のグラウンドとし、十分な広さの室内練習場も設置する。
「誰もが楽しく観戦できる環境整備」では、熱中症や雨天対策を考慮した屋根付きの観客席、車いす用観覧スペースを設置するほか、高密度Wi―Fi、デジタルサイネージといったICT技術を活用。
「環境負荷軽減・ユニバーサルデザインによる施設設備」では、太陽光、雨水利用、LED照明などによる環境対策、エレベータなどによるユニバーサルデザイン化を図る。
「利便性の向上や賑わいの創出」では、ミュージアムやeスポーツブース、屋内アーバンスポーツ施設などの設置を検討する。
委員からは「オフシーズンに人を呼び寄せる工夫を」「石川の野球殿堂博物館的な機能を」といった意見があった。
事務局では、今回の議論を踏まえて今後、公園全体を対象に「マーケットサウンディング」「パブリックコメント」を行い、年内に最終案をまとめる。
あす、骨子案テーマに/再整備構想検討委
新県立野球場整備検討部会、新産業展示館整備検討部会の上位組織となる石川県西部緑地公園再整備構想検討委員会(委員長・鍔隆弘金沢美術工芸大学教授)の第3回会合が25日、開催される。
当日は公園整備構想骨子案について議論する。その後、パブリックコメント、夏ごろの構想中間とりまとめを経て民間活力(PPP/PFI)の導入可能性調査に移行、2023年度末までに最終とりまとめを仕上げる流れとなる。