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建設経済新聞社
2023/04/24

【京都】柔軟な公園運営の在り方検討 店舗と地域交流拠点整備など想定

 京都市は、地域主体の柔軟な公園運営の在り方の検討に入る。民間活力の導入により「(公園内に)店舗と併せて地域の交流・活動拠点施設を整備・提供」することや「(公園内に整備した)店舗の収益の一部を継続的に地域に還元」することなどを想定している。
 市が管理する公園については、施設の老朽化や利用者の減少、地域の担い手不足など様々な課題があることから、公園の特性や地域のニーズに応じて規制を見直し、地域が独自の公園利用ルールや活用方針を定めることを認めるとともに、地域が主体となって公園運営を企業、大学、NPO等の多様な主体がハード・ソフトの両面から支援できる「新たな公園運営モデル」の構築を目指している。
 新たな公園運営モデルでは、市、公園運営委員会(地域が主体となり組織)、サポート団体(民間企業、大学、NPO等)の3者が協定を締結。市は基礎的な維持管理を行い、公園運営委員会は地域のニーズに応じた利用ルールの策定など、柔軟に管理運営を行う。サポート団体は「公園の魅力向上や地域コミュニティの活性化等に資する利活用を展開」「活動に営利行為を伴う場合は利益の一部を公園運営委員会へ還元」する。
 新たな公園運営モデルを導入する公園では、地域やその支援団体等に対して、交流・活動拠点としての利用を前提とした民間活力の導入による公園施設(建物)の整備を認めることを検討しており、専門的な見地から意見を聞くため、21日開催の都市緑化審議会(会長・深町加津枝京都大学大学院地球環境学堂地球親和技術学廊准教授)で「地域主体の柔軟な公園運営のための公園施設の在り方」について諮問した。
 街区公園の北鍵屋公園(師団街道沿いの伏見区深草北鍵屋町、面積2282u)を対象に、地域や企業と共同研究を進めており、その中で企業から店舗と地域の交流スペースが一体化した施設の整備や、店舗の収益を公園運営の支援に活用する提案が示された(@店舗と併せて地域の交流・活動拠点施設を整備・提供A店舗の収益の一部を継続的に地域に還元(活用例…遊具やベンチ、花壇など公園施設の購入費、ドッグラン用可動柵など物品の購入費、夏祭りや防災イベントなどイベント等の活動費、草刈の外注など管理費として活用し地域ボランティアの負担を軽減))。
 共同研究を踏まえ、柔軟な公園運営に資する施設に備えるべき基本的な機能、外観、配置等、公園にふさわしい施設の在り方について、都市緑化審に設置の検討部会で検討する。
 検討部会は、5月頃に第1回部会、7月頃に第2回部会を開き、柔軟な公園運営に資する公園施設の設置を認める場合の条件等の検討を行う。その後、令和5年度中に答申する予定。