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日刊建設工業新聞
2023/04/21

【鳥取】町道陸上中央線/県代行で落石対策着工/年度内に最適工法決定/岩美町と県

落石の恐れがあり、昨年8月から全面通行止めとなっている岩美町小羽尾の町道陸上中央線の法面対策は、町に代わって県が対策事業を引き継ぐことになった。今年度は町が調査設計を進め、県を交えて年度内までに工法を決定。来年度から県が具体的な対策工に乗り出す。
 18日、同町の長戸清町長が県庁に平井伸治知事を訪ね「工事の難易度が高く、手に余っている。一日も早く通行できるよう力添えを」と、県代行による対策工を要望した。平井知事は「過疎代行による手法を検討したい」と答え、観光道路でもあり、県としても早期に交通開放を目指す考えを伝えた。
 旧国道178号の陸上中央線は、陸上から小羽尾にかけて海岸線を抜ける風光明媚な路線。県が国交省ナショナルサイクルルート(NCR)の指定を目指す「鳥取うみなみロード」の区間にも組み入れられている。
 21年6月に落石が一部カ所で発生し、町が翌22年1月から既設の落石対策施設を点検したところ、複数カ所が「緊急措置段階」に入っていることが判明。同8月から全面通行止めにした。
 対策の対象区間は、東浜海水浴場から西側の約500b。道路沿い高さ20〜30bの斜面は軟らかい岩質でもろい。
 その後、町はコンサルタントに委託して概略検討に着手。これまでにトンネル化も含め複数案の対策工を検討しており、なかでも斜面下に落石を受け止めるポケットを造成し、同時に道路幅を海岸側にせり出す工法を推奨している。工期約40カ月。事業費は10億円を見積もっている。引き続き今年度は調査費6900万円を充てて調査検討を重ねる。
 県道路企画課によると「町の調査状況を踏まえ、専門家にも相談して年度内に最適な工法を決定したい」と説明。来年度から県代行で事業着手して対策工に入る。

日刊建設工業新聞