従来方式採用、庁舎本体約99億 環境Cの余熱利用やZEB認証取得検討 大村市は、築後58年が経過し建物等の老朽化が進んでいる市庁舎整備に関連し、2023年度から本格事業に着手する。公募型プロポーザルでの設計業務委託を軸に4月から発注準備に入り、基本・実施設計を一括で発注する。25年度に工事に着手し、27年度完成。28年度の供用開始を目指す。概算事業費134億5000万円。うち新庁舎本体の建設工事費は約99億円となる。
事業手法に関しては、発注者の意向や市民ニーズを反映しながら計画を進めることができ、また多くの民間事業者や地元事業者の参画が期待される「分離発注方式」(従来方式)を採用。設計者選定に4カ月、基本設計と実施設計に22カ月、施工者選定に7カ月、建設工事に22カ月を要する。
新庁舎は新たに建設する環境センターと近接しているため、余熱利用の検討を新庁舎の機能に追加。また、ライフサイクルコスト縮減を図る必要があるとして、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)認証取得の検討を盛り込むなど、環境配慮型庁舎を目指す。
設計者の選定方式については、設計者のノウハウやアイデアの反映とともに、発注者である市との連携も柔軟にできる「プロポーザル方式」を採用する方針。設計業務については、2者JVでの委託を想定。順調に進めば第1四半期中に公告し、第2四半期から業務に着手する。
新庁舎の具体的な高さについては決まっていないが、航空法では42bという制限がある。耐震安全性においては構造体T類、非構造部材A類、建築設備甲類を目標に列挙。最適な構造種別では、必要となる機能や空間、建設コスト等を総合して考慮し選定。構造形式は耐震構造または免震構造のいずれかとする。
新庁舎の規模は職員数見直しに伴い、延床面積2万平方bを想定。基本・実施設計の段階で必要な見直しや修正を行う。来庁者用と公用車の駐車場は約9000平方b規模。職員駐車場等は、周辺の公共施設の土地の利活用等も含め検討していく。
先行自治体の建設単価平均は1平方bあたり約50万円だが、建築関係経費の上昇等を踏まえ、建設単価を1平方b約55万円(倉庫棟1平方b約30万円)と試算した。
設計や外構工事、備品購入や移転等の経費を含めた概算事業費は134億5000万円。内訳は庁舎本体約99億円、倉庫棟約6億円、市民プール解体工事費と外構工事14億1000万円、設計費・備品購入費・移転費等に係る経費約15億4000万円。
当初予算で、新庁舎建設経費7283万5000円(基本・実施設計、測量設計(測量・道路)、地質調査等)を計上。4億9237万5000円の債務負担行為を設定した。