県長浜土木事務所木之本支所は、22年10月に福井県の杉本達治知事と滋賀県の三日月大造知事が国道365号栃ノ木峠道路の代替道路となる両県を結ぶ新たなバイパス道路の整備について、国への事業化の共同要請などで合意したことを受け、3月に更新した新たな「滋賀県長浜土木事務所木之本支所道路整備計画アクションプログラム2023」に、拠点間ネットワーク整備事業として同線のバイパス整備を位置付け。プログラム計画期間の27年度までに「着手」する方針で、福井県側が22年度着手済のボーリング調査や地質調査などを滋賀県側の初弾業務として委託したい意向だ。
国道365号栃ノ木峠道路のバイパス道路は、滋賀県長浜市から県境を越えて福井県南越前町地先で同県が施工中の国道365号栃ノ木道路(明かり部)までを結ぶ、国道365号の西側を通るルートで計画。事業延長は2・8q(滋賀県1・4qおよび福井県1・4q)でうち延長2・5q(滋賀県1・2qおよび福井県1・3q)をトンネルが占め、事業費は約100億円を想定。
現在の「国道365号栃ノ木峠道路」は滋賀県と福井県を結ぶ産業・経済・文化交流の機能を有する幹線道路だが、地形の急峻な山間部で幅員は狭小で線形不良箇所が多く、豪雪のため約5ヵ月間の冬期通行止め期間や異常気象時通行規制区間があるなど課題が多く、滋賀県側は改良済区間もあるが、集落内を通る幅員狭小な区間もある。
滋賀県・福井県の両県ではこれまで検討を進め、22年10月に両県知事が、災害に強いネットワーク構築を目指し、国道365号栃ノ木峠道路の代替道路の整備の国による事業化を共同で要請していくことを合意した。検討経過では地質調査の結果、難工事も予測され、直轄権限代行制度による国の事業化を求める考えで、近畿地方整備局では今年度に、災害時における道路ネットワークの広域的な代替性を確保するための対策に係る調査検討を滋賀・福井両県と連携して進める。
提供:滋賀産業新聞