県土整備部は今年度、県内業者の建設キャリアアップシステム(CCUS)の普及を図ろうとモデル工事5件程度の試行に踏み切る。CCUSの利用誓約書を入札時に求め、総合評価に「0・5点」加点する。
対象工事は、同部が発注する「土木一般」工種の予定価格4000万円以上。簡易評価型総合評価の施工能力点に新項目「CCUS」を追加して加点する。
加点条件は元請けと下請け1社以上の事業者登録と、各就業履歴1回以上の蓄積が必要。履行確認では帳票印刷機能を利用した出力伝票(月別カレンダー)などの提出を求める。
万が一、不履行を確認した場合は、工事完成日から向こう1年間、全ての総合評価入札で0・5点減点する。
モデル工事は各県土が1件程度選定し、県下で計5件程度を想定。同部は「今夏までに入札し、モデル工事の受注者には操作方法の講習会を開きたい」(県土総務課)とフォローアップする考え。
同部によると、21年度の県工事でCCUS活用事例は全体の2〜3%程度(20数件)にとどまっている。昨年5月には「入契法適正化指針」の一部見直しでCCUSの利用が明確に位置付けられ、発注者による加点措置など利用促進に向けた条件整備が盛り込まれた。
日刊建設工業新聞