日本工業経済新聞社(群馬)
2023/04/12
【群馬】利根川水系砂防が予算概要示す
国土交通省利根川水系砂防事務所は2023年度の事業概要を明らかにした。事務所の全体事業費は45億5200万円で、砂防事業が25億3600万円、直轄火山砂防事業(浅間山)が16億6600万円、直轄地すべり対策事業が3億5000万円としている。片品上流第二砂防堰堤や振子沢堰堤などの堰堤整備、川浦床固群などの洪水氾濫対策も図る。
主な事業については次の通り。
【浅間山直轄火山砂防事業】
嬬恋村や長野県軽井沢町などで、噴火に伴う火山噴火緊急減災対策として、融雪型火山泥流に対して堰堤を整備する。嬬恋村においては地蔵川砂防堰堤群などの整備を進める。長野県軽井沢町では濁川砂防堰堤群、千ヶ滝西沢砂防堰堤群、大窪沢川砂防堰堤群、大日向砂防堰堤群の整備を実施予定。
【利根川水系直轄砂防事業(片品上流第二砂防堰堤)】
片品上流第二砂防堰堤などの整備を進める。本堰堤は不透過型の重力式砂防堰堤で、堤長83m、高さ17mの規模。工事はコンクリートの河床部分の建設がメインとなり、掘削ののちに厚さ24m、幅30m、高さ3m程度の工事を予定している。コンクリートボリュームは約1800立方m。片品川流域は日光白根山の脆弱な火山性地質で覆われており急峻な地形のため、河床には多量の不安定土砂が堆積している状況のために、整備を実施するもの。
【利根川水系直轄砂防事業(内手川第一砂防堰堤)】
高崎市内で内手川第一砂防堰堤の整備を計画している。内手川は平均均河床勾配約15分の1の急勾配渓流となり、不安定土砂が堆積している状況。流域の土砂災害を防止するために整備を行う。
【利根川水系直轄火山砂防事業(振子沢砂防堰堤)】
草津町地内で、振子沢砂防堰堤の整備を実施する。吾妻川流域は浅間山、草津白根山の火山噴出物による脆弱な地質と急峻な地形により、上流域からの土砂生産が著しく多量の不安定土砂が堆積する。砂防堰堤の築造により吾妻川流域の土砂災害に対する安全向上と、付近を通る国道292号および下流域を土砂災害から保全する。
【利根川水系直轄砂防事業(川浦床固群)】
高崎市内の烏川流域は過去に発生した豪雨により、不安定土砂が堆積している。河床や渓岸を安定させるために、床固群の整備を予定している。
【譲原地区直轄地すべり対策事業】
地すべり対策として、アンカー工などの整備を予定している。譲原地すべりは1962年に地すべり防止区域に指定。95年度から直轄事業として、地すべり対策を講じている。