東日本建設業保証(本社・東京都中央区八丁堀)が提供している「電子保証」について、4月から北陸4県の地方自治体では初めて、富山県と富山市で新たに導入されることになった。
電子保証は、同社がこれまで書面で提供していた「前払金保証」と「契約保証」、「中間前払金」の保証証書に関し、インターネットを通じて電子的に提供できるようにしたもの。同社では、2022年5月9日から取扱サービスをスタートしている。
保証手続きがインターネットで完結することで、書類保管の負担が軽減されるとともに、移動に要する時間が大幅に削減できることが主な特長。
既に電子保証を利用しているエリアの建設会社からは、「保証手続きが電子的に完了するので、前払金保証と契約保証のペーパーレスを促進し、保証証書提出のための移動時間の削減、事務負担の軽減、業務効率化が実現できた」、「保証証書の受け取りが、これまでの翌日から申込当日となり、スピードが格段にアップした」などの声が寄せられているという。
電子保証の仕組み=図参照=はまず、利用者である建設会社が、東日本建設業保証に保証を申込み、保証契約を締結。同社が利用者に代わり、保証証書(電子)を日本電子認証が提供するクラウドサービス「D−Sure」に送信した後、利用者が同社から認証キーを取得する。利用者が認証キーを発注者に送信し、発注者は、D−Sureで保証証書(電子)を確認する。
電子保証の利用を認めた発注機関の工事・業務委託が対象であり、利用にあたっては、同社のインターネット保証サービス「Net Desk」の登録が必要となる。従来の紙による保証証書の発行も選択可能。
受注者である建設会社にとっては、電子保証サービスを活用するメリットが大きいことから今後、他の自治体での導入にも注目が集まりそうだ。
なお、3月1日現在、同社エリア内で電子保証に対応している発注者は、国が国土交通省と農林水産省、法務省(本省)、衆・参議院、独立行政法人が鉄道・運輸機構、ネクスコ中日本、地方公共団体が秋田県、茨城県、埼玉県、長野県、浜松市(静岡)、坂戸市(埼玉)、秩父市(同)、横瀬町(同)、御嵩町(岐阜)など。
問い合わせは、同社富山支店(電話076−441−4356)まで。