一般社団法人北陸建設アカデミー(胎内市黒川91 代表理事・小野貴史小野組代表取締役社長)は3日、「建設業新人研修会」を中条グランドホテルで開き、県内外からの受講生29人は建設業の基礎知識や安全衛生教育、社会人としてのコミュニケーション能力などのマナーを身に付けようと、第一歩を踏み出した。
式に先立ち、小野代表が登壇し「我々は地域の守り人、つくり人。インフラを支える大事な産業であり、エッセンシャルワーカー(必要不可欠な労働者、生活維持や社会基盤を支える職種)の1人とも言われる。自然災害では生命や財産を守る最前線が使命」と話した上で、「技能の基本を学び、特にコミュニケーション能力が大切。人間力、総合力が問われる産業で、立派な建設人を目指してほしい」と激励した。
続いて、来賓から胎内市の井畑明彦市長があいさつに立ち「社会を支える極めて大切な産業。さまざまなインフラが何に活用され、何につながるのかを感じ学んでいただきたい」と祝辞を寄せ、斎藤洋明衆議員は「失敗してもいい。基礎を身に付け、そこからほとばしるものがコミュニケーションにつながる」、北陸地方整備局企画部の池田裕二部長は「若者の入職が減り、人材確保は厳しい。皆さんが造るものは社会経済を支え、国民の命を守り、必ず誰かの生活を支えている。自然災害でもいち早く現地に行くのが建設業界。やりがい、魅力を感じてもらいたい」と期待を込めた。
その後、受講生は一人ひとりが登壇し、「さまざまな知識を学び、今後の業務に生かしたい」「建築の知識だけではなく、人間力を高め、日本を創り上げたい」「精いっぱい吸収し会社に貢献していきたい」などと将来の建設業を支える一員としての決意を語った。
研修は4コースに分かれ、建設業の基礎知識(建築・土木・各工種他)、新社会人の知識およびマナー、コンクリート研修、基礎から学ぶ測量、資格取得(足場の組立て等の業務に係る特別教育、フルハーネス型墜落制止用器具特別教育)などは必須。また、玉掛け技能講習や小型移動式クレーン運転技能講習、車両系建設機械(整地等、解体用)運転技能講習、重機総合実習などは選択制となっている。期間は約2週間から約1カ月間。
受講生は新卒者または入社3年未満が対象で、砺波工業(富山県砺波市)、オノエンタープライズ(胎内市)、小野組(同)、加藤組(村上市)、川瀬工業(三条市)、井口建設工業(南魚沼市)、伊米ケ崎建設(魚沼市)の7社から男性20人、女性が9人。