横浜市建築局は、再生可能エネルギー設備の導入を推進できる区域などを定める「建築物再エネ促進計画」を2024年度に策定する。区域に指定されたら、一定規模の建物を建築する場合、建築士が建築主に設置可能な再エネ設備を説明する義務が生じる他、再エネ設備設置で高さ制限などの特例許可が適用されるようになる。
11月に素案を確定して、24年1〜2月にパブリックコメントを募集。結果を反映した成案を建築物省エネ法の施行後に公表する。
促進計画では、@再エネ利用促進区域の位置、区域A設置を促進する再エネ設備の種類B再エネ設備を設ける場合の建築基準法の特例適用要件に関する事項―の三つを主に定める。
区域は市内全域とすることを見込んでいるが、条件などを確認した上で決定する。設置を促進する再エネ設備は、太陽光発電や太陽熱利用、バイオマス発電などを想定している。
特例要件について、建物屋上に太陽光発電などを設置する場合の高さ制限や住宅の建ぺい率を緩和し、太陽光発電を設置するカーポートを設置できるようにすることなどを検討している。
〜計画策定など業務を公告〜
計画案の策定に向け3月28日、「建築物再生可能エネルギー利用促進区域制度等検討業務委託」を公募型指名競争入札で公告した。参加できるのは、市の有資格者名簿に「建設コンサルタント等の業務」の細目「建設コンサルタント・都市計画・まちづくり」と「建築設計(監理含む)」「設備設計」の細目「電気設備設計」の全てを登録している市内または準市内企業。4月5日まで参加を受け付け、12日に入開札する。
業務では、「再エネ促進区域制度」の創設を前提とした基礎的な情報の整理、「建築物再エネ促進計画(案)」の策定、説明義務を課せられた建築士と説明を受けた建築主の円滑な導入検討を補助するガイドラインの作成を行う。履行期限は2024年3月25日。
ガイドラインでは、一戸建て住宅の場合、区分所有の共同住宅の場合、事業用建築物の場合に分けて、検討項目とその方法を例示し、フローチャートを示す。
建築士が建築主へ再エネ設備に関する説明義務が生じる建物の用途と規模は別途、「横浜市生活環境の保全等に関する条例」を改定して定める予定でいる。
建築物省エネ法が22年6月に改正され、再エネ設備導入を促進する制度が創設された。24年6月までに施行されることを見据え、横浜市は制度運用に向けた検討を開始する。
提供:建通新聞社