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　愛荘町議会は3月定例議会最終日の24日、執行部提案の23年度当初予算を原案通り可決した。町経営戦略課ではこれを受け、当初予算に計上した「庁舎等リニューアル工事」の発注準備を進める。発注時期は23年度第1四半期となる見通し。
　庁舎等リニューアル工事は、愛知川庁舎と隣接する現・愛知川保健センターを活用し、本庁舎として全ての課を配置したリニューアル工事を行なうとともに、機能移転に伴う秦荘庁舎については、総合支所として住民総合窓口を1階に設置するなどリニューアル工事を行なう。また、安心安全な健診スペース、プライバシーを確保した相談スペースのある（仮称）新保健センターを、新たに現・愛知川保健センター隣地に建設する。
　当初予算には、総工事請負費7億1929万円、監理業務委託料2678万5千円、備品等購入費1101万8千円などが計上されている。
　設計業務は、水原建築設計事務所（彦根市）が担当した。
　同町は、06年（平成18年）2月13日に旧秦荘町と旧愛知川町の2町が合併して誕生した。当初は、庁舎をはじめとする公共施設は有効活用を図ることとされ、概ねそのまま現在に至っている。
　14年（平成26年）4月に総務大臣通知により、公共施設等総合管理計画の策定が全国自治体に要請されたことに伴い、町は17年（平成29年）3月に「公共施設等総合管理計画」を策定し、更に19年（平成31年）3月には「個別施設計画」を策定。
　少子高齢化に伴い、社会保障費が年々増加し、公共施設の維持管理費も益々増加していく中、変化する社会ニーズに対応して行政サービスを提供するとともに、持続可能な行財政基盤を確立していくために、将来世代に負担を先送りすることなく積極的に施設の統廃合等を実行していくため、20年（令和2年）2月に「愛荘町庁舎等のあり方検討委員会」を設置し、住民と情報共有しながら『行政機能の配置の最適化に向けた具体の方針』を同年8月に取りまとめた。
　内容は、愛知川庁舎（現本庁舎）と秦荘庁舎（現分庁舎）について、住民の利便性向上及び事務の効率化等を実現するために、愛知川庁舎にすべての課を集約し、秦荘庁舎は総合的な住民サービス窓口を配置する総合支所とする。総務省基準による庁舎必要面積に対する不足差は、「隣接する愛知川保健センターを活用すれば概ね確保できる」として、検討の目的である「将来世代への負担の軽減」の観点からも集約化を方針とした。
　なお、『行政機能の配置の最適化に向けた具体の方針』は、愛知川庁舎と秦荘庁舎のほか、類似施設のラポール秦荘『いきいきセンター』と福祉センター『愛の郷』、秦荘保健センターと愛知川保健センター、老朽化が著しい愛知川公民館と町民センター愛知川、旧愛知川警部交番跡地が対象。
　秦荘保健センターと愛知川保健センターは「既に健診等を地域ごとに実施し、機能は愛知川庁舎内に集約している」とし、また、旧愛知川警部交番跡地については、「（隣接する愛知川庁舎）来庁者等の駐車場不足が指摘されていることから、建物を解体し駐車場として整備し、速やかに有効活用する」とした方針に基づき、債務負担行為で予算を確保し既に発注、近く着工する。
　このほか、『いきいきセンター』については『愛の郷』の機能を取り込み地域福祉の拠点とする。愛知川公民館と町民センター愛知川は解体し、事業は「ハーティーセンター」と「ゆめまちテラスえち」を中心に展開する―などとしている。

提供：滋賀産業新聞