県の最低制限価格引き上げで根〆会長が会見 持続可能な建設業の実現へ 持続可能な建設業の実現へ、給与・休暇面で取り組みを推進=\。(一社)長崎県建設業協会の根〆眞悟会長は、県が2023年度から最低制限価格を92%に引き上げる通知をしたことを受け、建設専門紙と会見。改めて、協会を挙げて給与の引き上げと4週8休の実現に取り組む決意を示し、協会員に理解と協力を訴えた。
最低制限価格の引き上げは、ことし2月、根〆会長はじめ建設業協会役員らが県庁を訪れ、大石賢吾知事に直接要望したもの。ここでは、県内建設業界が、▽就業者の高齢化▽若手入職の低迷▽残業規制の強化―など多くの課題を抱え、厳しい状況にあることを説明。協会としても、この状況の改善に向け▽会員企業の新規入職者の初任給、職員給与を、23年度から平均で年あたり1・5%以上の上昇、23年度から3年間で概ね5%以上の上昇▽すべての会員企業で、残業規制の強化が実施される24年3月までに、完全4週8休制の実施―などを目指すアクションプランをまとめ、対応に尽力する方針を示した。その上で「これらを確実に進めるには、投資が必要で、業界の取り組みだけでは限界がある。県発注建設工事の最低制限価格の見直しが不可欠」と訴えていた。
県では、建協側から具体的なアクションプランが示されたことを踏まえ、プランの推進に必要な経費が、最低制限価格の引き上げに見合う内容になっているかを精査した。見合う内容だと確認したことから、建設工事に係る入札契約制度を改定。現在、国の中央公契連モデルを参考に、設計金額の90〜92%の範囲で設定している最低制限設計価格∞履行確実性評価設計価格∞低入札調査基準価格≠、23年度から、一律設計金額(税抜き)に92%を乗じて得た金額≠ノ見直すことにした(ランダム化は継続)。
根〆会長は、「担い手の確保に対する危機感は、全支部長が共通の認識として持っている」とし、協会の総意でアクションプランを策定したことを強調。「協会員みんながアクションプランの実現に向けて必死に取り組んで建設業の魅力を向上していかなければ持続可能な建設業≠ヘ実現できない。そして、協会員(元請企業)で進めた取り組みが、専門工事業界まで広がり、公共工事設計労務単価のさらなる引き上げや技能労働者の処遇改善に繋がる産業全体の好循環≠ェ実現し、継続していくことを期待している」と訴えた。