富山県建設業協会は24日、富山工業高校土木工学科生徒の保護者との意見交換会を富山市の同校で開いた。
生徒の進路を助言する立場にある保護者と意見を交わすことにより、地域建設業の現状や建設技術者の仕事内容への理解を深めてもらうと同時に、建設業の魅力などをPRし、若者の入職促進につなげる目的で順次開催しているもの。
この日は協会から竹内茂会長、加藤昭悦専務理事ら、同校土木工学科の新1年生の保護者41人と担当教諭が参加。生徒の入学前のタイミングで実施するのは今回が初めて。
担当教諭が土木工学科紹介として、学習内容や建設業界の概要、技術職と技能職の違い、進路状況などを説明後、竹内会長があいさつし、「建設業界では、土日の休みがだいぶ増えてきた。給与はなかなか上げられない時代もあったが、東日本大震災以降、建設業の重要性や防災への備えが再認識され、流れが変わった」と述べるとともに、「災害発生時、地元を守るため最初に動くのが建設業界。富山県は急流河川が多く、立山カルデラもある。そうしたところで災害を防ぐための土木工事が行われており、建設業は県民を守る仕事と言える。現場だけではなく、災害対応をする際も安全を第一にしており、その点は安心していただきたい」と話した。
さらに、「これから3年間、お子さん達は土木について学ばれるが、保護者の皆さんも建設業のことを気に掛けてほしい。我々も働く環境がさらに良くなるよう努力しており、ぜひ安心して建設業界に送り出していただきたい」と訴えた。
加藤専務理事が建設業界の現状として、建設業の仕事や将来、休日制度の推移、高校生を対象とした協会の活動状況(現場見学会、就職直前技能向上研修会、出前講座など)を紹介した。
質疑応答では教諭から、「技術者のポイント制があると聞いたが」との質問があり、協会側から、「総合評価という入札方式では、技術者の実績等も評価対象。より良いものを造るには、入札金額だけでなく、会社や技術者の能力、実績も評価しようと導入された」と回答した。