建設新聞社
2023/03/24
【東北・山形】山形市がDBO方式による市民会館移転の実施方針公表
山形市は、DBO方式を導入する市民会館移転整備事業について、民間事業者の選定に当たっての実施方針および要求水準書(案)を公表した。
事業者の募集および選定スケジュールは、今月28日15時まで説明会の参加を受け付け、翌29日14時から市中央公民館大会議室で説明会を開催する。7月に公募公告し、9月に参加申請を受け付ける。資格審査を経て、10月に資格審査通過者と対話を実施し、2024年1月に提案書を受け付け、提案審査を実施して同年3月に優先交渉権者を決定する。
参加資格は、▽設計業者▽建設業者▽工事監理業者▽維持管理業者▽運営業者―の複数企業で構成するグループであること。基本協定締結後に運営企業の出資を必須としたSPC(特別目的会社)を山形市内に設立して事業に当たること。地元企業のノウハウを活かすため、代表企業は市内に本社を有することが望ましく、構成企業に市内業者を3社以上入れることを要件とする。
設計業者については、一級建築士事務所に登録しており、15年度以降に500席以上の劇場・演芸場・観覧場と延べ5000平方b以上の公共施設の新築または改築の基本設計または実施設計の実績を有していること。構成員または協力企業として市内に本社を有する一級建築士事務所を入れるよう配慮も求める。
建設業者については、建築一式工事A等級かつ、15年度以降に延べ5000平方b以上の公共施設の新築または改築の実績を有する企業を1社含むこと。このほかの企業は、市の建設工事に登録していることを要件とする。また、舞台特殊設備の整備に当たる者は、1000席以上の劇場・ホール施設の舞台機構・舞台照明・舞台音響設備の施工実績を有すること。電気設備工事および機械設備工事業者については、構成員または協力企業として市内に本社を有する者をそれぞれ複数入れることを求める。
山形市香澄町2の9の45地内にある山形市民会館は、1973年にRC造地下1階地上4階建て、延べ5815・28平方b規模で建設。完成から年数が経過し、施設および設備の老朽化が著しく進んでいることから、同市七日町3の1の23地内の旧山形県県民会館の解体跡地約3951平方bに移転を計画。
2020年3月にシアターワークショップ(東京都渋谷区)に委託して基本構想を策定し、選定事業者が設計・建設・維持管理・運営業務などを手掛けるDBO方式を導入する方針を固めた。24年6月30日までの履行期間でDBOアドバイザー業務を玉野総合コンサルタント(現・日本工営都市空間)に委託している。
新たな市民会館の延べ面積は約1万1100平方bを想定。内部には、市民の舞台芸術の鑑賞や発表の場となる約3600平方bの大ホール(固定席約1200人)をはじめ、約1200平方bの小ホール(可動席300〜400人)、約550平方bのスタジオ・会議室・展示室などを有する創造活動スペース、約900平方bの交流スペースなどを設けるほか、1300平方bの駐車場も設ける。現施設の機能を踏襲しつつ、市民の日常的活動や観光客との交流の場となる常ににぎわいのある施設を目指していく。
今後の整備スケジュールは、来年4月に基本協定を締結し、6月に基本契約および設計建設工事請負契約を締結する。同年7月から28年9月までの4年3カ月間を設計・建設期間とし、29年度の供用開始を目指す。運営維持管理期間は44年3月までの15年間とする。
なお、事業の関連工事となる旧県民会館解体工事は山形建設・井上工業JV、地質調査業務はイヨテクニカルがそれぞれ担当している。
提供:建設新聞社