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　三重県は、中部電力尾鷲三田発電所跡地に尾鷲市が誘致している大規模集成材工場について、市と協力して進めていることを明らかにした。三重県議会定例会の一般質問で東豊議員（草莽）が東紀州地域の森林・林業振興に期待して県の関与を問うたもの。
　更屋英洋農林水産部長は、２０２２年10月に尾鷲市などから協力要請があり、関係事業者で構成する会議に参画していることを説明。県の取り組みとして、工場への原木の安定供給に向けて県内の森林資源情報や林道作業道などの木材搬出に必要なインフラの情報、森林経営計画に基づく伐採予定量などの情報収集を挙げた。そして、航空レーザー測量や森林情報管理システムを駆使した解析を進めながら「排出可能な資源量を調査しているところ」とした。今後については「主体的に関与し、誘致の実現に向けて関係事業者との協議を進めていく」と答弁した。
　現在の県内林業の状況は、大半が利用期を迎える一方で、使用量の減少から産出額が年々減少している。多気町での大型合板工場立地をはじめ、県内でバイオマス発電所が稼働しているが、高額で取引される建築用の木材需要が伸び悩んでいることから産出量の増加に至っていない。林道の開設延長も１９８０年と比べ30分の１まで減っている。

提供:建通新聞社