九州地方整備局鹿児島国道事務所が進める鹿児島東西道路の整備は、トンネル掘削に向けた準備が着々と行われている。道路トンネルで九州初導入となるシールドマシンの組み立ては終盤に差し掛かっており、2023年度後半の掘削開始が見込まれる状況。先進技術を駆使した工事がいよいよ動き出す。
施工は大成建設・大豊建設JVが担当。延長2.3kmに及ぶシールドトンネル(東西道路下り2車線)は、鹿児島市の中洲通りに立坑を設けて地中を掘り進め、現存する武岡トンネルの北側部分へと貫通させる。掘削外径は11.38mで、ビル3階分に相当。地面からの深さは、市街地部で約13m、山岳部では最大約96mにも及ぶ。
シールドマシン(直径11.34m)は、深部の土や水の圧力に耐えられるよう、頑丈な鋼鉄製のシールド(盾)に覆われた円筒形の掘削機。掘進しながら壁面(セグメント)をはめ込んでいくため、地下水の流入も防ぐことができる。
現在、中洲通りの作業エリアには、工事で発生する音を低減させる防音ハウスも整備。1年前(22年3月)に着手したシールドマシンの組み立ては終盤に入っており、順調に進めば試運転等を経て23年度後半に掘削が始まる見通しだ。