建設新聞社
2023/03/15
【東北・福島】デロイト社に優先交渉権/大熊町社会教育複合施設の整備支援業務
大熊町は、公共施設の集約化を目指す社会教育複合施設について、整備に向けた支援業務の委託者を選定するため、公募型プロポーザルを進めた結果、デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社を優先交渉権者に決定した。
プロポーザルには2者が参加。今月9日のプレゼンテーション・ヒアリング審査で選定し、13日付で審査結果を公表した。
評価点(600点満点)は同社が525点、次点のエーユーエム構造設計(福島県郡山市)・日建設計コンストラクション・マネジメント・ボーダレス総合計画事務所(福島市)JVは444点。審査委員は社会教育複合施設整備検討委員長の初澤敏生福島大学人間発達文化学類長など6人が担当した。
審査講評によると、優先交渉権者の提案は業務実施方針や人員計画が具体的に示されていたことや、類似業務の実績数などが高い評価を受けた。
社会教育複合施設は、福島第一原子力発電所事故以降、休館が続いている図書館・民俗伝承館、中央公民館などを集約した代替施設として、JR常磐線・大野駅隣接地に当たる大熊町下野上大野803の1地内の敷地約7000平方bに整備を計画している。
町では、昨年7月に社会教育複合施設整備検討委員会を立ち上げ、5月ごろには基本構想を取りまとめたいとしている。
今月2日開催の第4回委員会で示された構想案によると、施設は延べ5000平方b程度を想定。内部には表現活動が可能なエントランスホールや、最大10万冊が収蔵可能な開架書架、民族伝承館で常設展示されていた古民家「吉田家住宅」を利用した和室などを設ける。蔵書数は約15万点、文化財収蔵数は約2840件を想定している。
2023〜25年度で基本計画を策定するとともに基本・実施設計を作成し、25〜27年度で工事を行い、27年度の完成を目指す。
なお、今回の業務は、施設整備に当たり必要となるマネジメント業務(PM業務)、発注、設計、施工、監理に係わる業務(CM業務)、施設完成後の運営業務などの検討、実施について支援を行うもの。履行期限は28年3月31日まで。委託費上限は2億5200万円(税込)としている。
提供:建設新聞社