君津市は、君津インターチェンジ周辺における産業の受け皿づくりについて、土地利用規制を踏まえた次世代型農業の誘導のほか、地域未来投資促進法の活用を模索していく。地域未来投資促進法を活用する場合は、近隣自治体との連携も検討する。「君津インターチェンジ周辺土地利用検討業務」は、八千代エンジニヤリングが担当。20日に第4回懇話会を経て、参加者や庁内から寄せられた意見を踏まえ、誘導を図る産業別に3つのコンセプト案をまとめる。また、2023年度当初予算案には土地利用検討事業費1320万円を計上しており、23年度早々に検討業務委託の公募型プロポーザルを公告する。開発事業者(デベロッパー)へのアンケート調査などを経て、年度末までに、コンセプト案について具体化を図る。参画する開発事業者の決定は24年度以降となる見込みだ。
石井宏子市長は「23年度に開発手法などの検討を進め、土地利用の構想を策定する。市の明るい未来へつなぐためにも、君津インターチェンジ周辺を南房総の玄関口としてふさわしい、活気あふれる拠点となるよう、国や県とも連携しながら、未来志向で取り組んでいく」と力を込めた。
君津インターチェンジ周辺は東京都心や羽田空港へのアクセス性に優れ、産業や観光などの拠点となる可能性を有しているものの、さまざまな法規制により都市的利用が制限され、土地活用が進んでいないことが長年の懸案となっている。
そこで、総合計画において新たな産業の受け皿づくりを進めることが必要な重要な拠点と位置付けた。
22年度に庁内プロジェクトチームを設置し、調査・研究を開始。さらに、市内の経済・農業団体、県、大学教授、民間シンクタンクを招いた懇話会を設け、地元の意見や未来を見据えた拠点づくりについて意見を聞いている。
業種別アンケートでは、卸売業・小売業・製造業などの複数の事業者から、主にアクセス面の優位性を理由に「進出可能性あり」との回答が得られた。また、建設業・不動産業などの開発事業者向けアンケートにおいても、複数の事業者から「条件次第で参画意向あり」との回答が寄せられた。
23年度は、国や県との連携の下、開発事業者のニーズのさらなる精査を行い、都市計画マスタープランや君津インターチェンジ周辺の特性も勘案し、開発手法などの検討を進め、土地利用の構想を進めていく。