高島市土木課は、市場地区用水路(明護隧道L751・8b)の改修事業に着手しており、残り未対策区間493・3bについて、春頃にも工事発注を行う方針で準備を進めている。工事期間は23年度から26年度までの4ヵ年で、総事業費は7億3780万円。
工事スケジュールは、議会請負案件の承認を経て着工し、9月からの本工事に入る予定。施工にあたっては仮設工、接合部補強工、床打ちコンクリート工、充填工、構造物取壊し工を実施したうえで、水路更生工に着手する。
対策工法については、管更生工法で、既設隧道内で組み立てた鋼製リングと高密度ポリエチレン製の部材により更生管を構築し、更生管と既設隧道の隙間に充填剤を注入して、既設隧道の更生を行う。
市場地区用水路(明護隧道)事業は、18年に改修工事に着手しており、全長751・8bのうち、刃口推進工法により258・5bはコンクリート管φ1000_により長寿命化対策が完了。残っている未対策区間493・3bの内訳は、素掘り区間288b、コンクリート覆工区間205・3bとなっている。また、下流から約1/3の地点で刃口推進工法の掘削機が停止したことから、残り約2/3の改修が喫緊の課題となり、20年度には、今後の改修事業の方針について、有識者に意見を求めるため、技術検討委員会を立ち上げ、21年度に調査業務と実施設計に取り掛かり、対策工法を決定した。
明護隧道は、水路完成後約100年が経過しており、特に素堀地区間は壁面崩壊が発生し、流水機能が低下しているため、安定した生活用水・防火用水・消雪用水の確保が出来ない状況。そのため早急に用水路を改修し、地域住民の安全・安心の確保及び生活環境の改善を図る必要があるとされている。
なお、調査・実施設計は、第一設計監理(湖南市)が担当。
提供:滋賀産業新聞