千葉市は9日、第65回都市計画審議会を市役所新庁舎1階正庁で開催し、「土地利用誘導方針」と「都心部容積率緩和方針(千葉都心)」の骨子案について報告した。土地利用誘導方針では、高度利用を図るべき地区に千葉都心、蘇我副都心(JR蘇我駅東口地区)、JR稲毛駅東口地区を設定。また、都心部容積率緩和方針(千葉都心)では、千葉都心の都市再生緊急整備地域28haを適用区域とし、容積率の緩和により、戦略的な都市機能を誘導する。今後は、骨子案に基づき案を作成し、7月の都市計画審議会に諮問。答申を受け、8月の方針策定・公表を目指す。
高度利用を図るべき地区のほか、産業強化を図るべき地区として千葉外房有料道路鎌取インターチェンジ周辺、ちばリサーチパーク、ネクストコア千葉誉田、市街化区域内産業拠点を設定する。
容積率の緩和においては、空地評価、指定容積率のほかに▽ウオーカブル=歩行空間、交通環境改善▽リバブル=居住サポート▽サステナブル=防災、環境▽育成用途=業務・文化――の4つの観点を新たに上乗せする。
土地利用誘導方針は「ちば・まち・ビジョン」の土地利用に関する方針に基づき、土地利用の規制・誘導に係る基本的な考え方を定め、各種土地利用計画制度の指針となる。また、都心部容積率緩和方針(千葉都心)には、土地利用誘導方針に掲げる千葉都心の土地利用実現に向け、民間都市開発を積極的に誘導するため、容積率の緩和に関する制度の運用を示す。
変更申請を可決/都計道等2議案
そのほか、都市計画公園および都市計画道路の変更について協議し、変更申請を可決した。
都市計画公園の変更は、大百池公園10・7haから道路整備指定区域0・1haを除外し、10・6haとする。大百池公園の大百池西側の市道南生実町102号線、南生実町86号線について現況幅員3mから公園側(東側)を拡幅し、6mとすることに伴うもの。
また、都市計画道路の変更に関しては、都市計画道路大膳野町誉田町線の起点(緑区大膳野町)から市道古市場高田町線と接続する延長約2130m(幅員22〜28m)を、起点から主要地方道生実本納線(千葉外房有料道路)と接続する延長約1470m(幅員16・5〜22m)に変更するもの。ネクストコア千葉誉田へのアクセスなど、周辺交通状況に見合うよう見直しを行うもの。23年度に用地買収を開始し、用地取得完了から約4年間で築造工事を進める。
藤代真史都市局長は冒頭、あいさつに立ち、23年度に新基本計画・実施計画を開始することに触れ、「新庁舎竣工のほか、3月にJR幕張豊砂駅の開業、4月に千葉公園新体育館の竣工など、都市の変化が目に見えてきている」との見解を示した。また、北原理雄会長(千葉大学名誉教授)は「新庁舎で初の都市計画審議会となる」と述べ、活発な意見交換を求めた。