三重県は、2025年度までに海岸保全基本計画を改定する。現在の計画は対象となる伊勢湾沿岸、熊野灘沿岸、三河湾を管理する愛知県、和歌山県と共同して03年に策定した。今回の改定は、国が「気候変動を踏まえた海岸保全の在り方検討委員会」からの提言を受けて、全国の同計画の改定を目標に掲げたため。
現在、国や隣接県と調整を進めており、23年度は、平均海面水位の上昇や台風の巨大化に伴う将来影響の推定を行う。その後、25年度までに気候変動による外力の変化量や背後地の状況などを考慮した堤防などの高さの考え方を整理する予定。
東豊議員(草莽)が県議会定例会の一般質問に登壇し、気候変動の影響を海岸保全施設の対策にどのように反映させていくか質問したもの。20年に検討委員会で気候変動による影響を考慮した形での対策を行っていくように提言されたことから、現在の国土強靱(きょうじん)化予算を活用した施設整備には対応していない。このため、同計画を改定することにより、施設整備の対応方針が定められるようになる。
提供:建通新聞社