建通新聞社(静岡)
2023/03/07
【静岡】県庁舎の建て替え 10年後の工事着手想定
静岡県は、老朽化した県庁舎を建て替える場合に想定される、工事着手までのスケジュールを明きらかにした。県庁舎は、東館が築50年を超えるなど耐用年数が近づいており、2033年度の工事着手を見込んでいる。県は21年度に設置した庁内のプロジェクトチームで23年度末までに現庁舎の課題を整理。24年度には有識者会議を立ち上げて整備手法を検討する。
静岡県庁の本庁舎は、登録有形文化財の本館(1937年完成)、東館(70年完成)、西館(74年完成)、別館(96年完成)、青葉駐車場(93年完成)―の5棟で構成している。
耐用年数が最も短いのは東館で、2033年度に工事着手するとしたスケジュールも東館の耐用年数に合わせたもの。東館を建て替える場合には、23年度までに庁内に設置したプロジェクトチームで課題を整理し、24・25年度に有識者会議で方向性をまとめ、26〜29年度に基本構想、29・30年度に基本計画、31・32年度に設計、33年度の着工を想定している。
ただ、21年度に発足した庁内のプロジェクトチームでは、デジタル化や働き方の変容なども踏まえた「次世代県庁」としての在り方を検討している。新庁舎の管理コストの縮減や環境への配慮もテーマとなる。デジタル化に伴う来庁者の減少も踏まえ、庁舎規模の縮小や庁舎の分散化なども考えているという。
県庁舎周辺には、建て替えに必要な用地も少なく、改修による長寿命化も選択肢になる。
県は、庁内プロジェクトチームの課題整理にも活用できるよう、23年度当初予算案に調査費2000万円を計上しており、庁舎機能やデジタル化、環境共生技術などについて検討する。合わせて、多様な働き方の実現や職場環境の改善、業務の見直し・効率化について検討する「県庁スマートワーク推進事業費」として4730万円も計上している。