トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

北陸工業新聞社
2023/03/06

【福井】再選した戸嶋美浜町長に聞く/観光、人口対策、防災に注力/地域愛で協働のまちづくり

 道の駅「若狭美浜はまびより」、電池推進遊覧船の整備など確かな実績を残し、任期満了に伴う美浜町長選挙で無投票再選を果たした、戸嶋秀樹氏。北陸新幹線の敦賀開業を来春に控えるなか、引き続き町政の舵取りを担う戸嶋町長に2期目の抱負を伺った。

◇1期目を振り返って
 新幹線を見据えた観光地の魅力アップということで、レインボーライン山頂公園の天空テラスや電池推進遊覧船の整備を進めてきた。美浜駅から「なびあす」までの一角は「にぎわいゾーン」と位置づけ、道の駅や観光農園などの観光施設、それらを結ぶ道路の新設などにも取り組んだ。防災面では防災情報伝達基盤の更新と強靭化。町独自の農業人材育成拠点施設も開設した。
 まちづくりで重要なのは地域愛の醸成。子どもたちがまちづくりを提案する「ふるさと美浜元気プロジェクト」をはじめ、集落組織の法人化など持続可能な地域づくりが広がってきた。4年間でまちづくりのベースとなるものができたと思う。
◇2期目の抱負を
 全面的に負託をいただき、身の引き締まる思い。町民一人ひとりの声を聞きながら協働のまちづくりを進めていく。
 観光では、整備した観光施設に来ていただくため、体制構築も含め誘客活動に取り組む。2次交通や宿泊関係、食の充実も重要。あわせて、綺麗な美浜を見ていただけるよう、美しい浜プロジェクトや観光道路の美化事業などを進めたい。
 人口減少対策では子育て支援のほか、若者の転入促進と転出抑制に向け、スマートタウンや新たな分譲地を整備したい。健康長寿の推進も人口減少対策につながる。にぎわいゾーンは、構成する各施設を活用し、回遊性の高いにぎわいエリアとしてさらに発展的に整備することで、若い人たちが楽しさを実感できるようにしていきたい。
 防災面では、原子力防災と一般災害に対する備えが不可欠。立地の町として安全安心を最大限確保するための1つは避難道路、制圧道路の多重化と強靭化であり、滋賀県へ抜ける避難道路の新設はその一環。避難道路、制圧道路に林立する電柱の倒壊リスクを考慮し、電線の地中化にも取り組みたい。一般防災では、中小河川の河川改良、護岸改良、水位計の設置など。各集落の避難所の強靭化も必要だ。
 美浜町には、まちづくりの源泉となる地域愛がある。これからもしっかりと育てていきたい。
 三方五湖は天空テラス、サイクリングロード、電池推進遊覧船の整備で、天空、湖周、そして湖面から体感いただける環境が整った。遊覧船は4月から運航。立体的な視点で楽しめる三方五湖に、ぜひお越しいただければ。

としま・ひでき
65歳。鳥取大学卒。福井県庁で農村振興課長などを歴任し、14年4月から18年3月まで美浜町副町長を務めた。モットーは「誠心誠意、一生懸命」。「災害対応や復旧、除雪などを担っていただく、まちづくりの重要なパートナー」と建設業界に期待を寄せる。

hokuriku