県県土整備部の2023年度当初予算案は、前年度と比較し同程度の658億4544万6000円となった。主要事業である災害レジリエンスbPの実現や多様な移動手段の確保などを中心に、各種事業を展開していく。
県県土整備部が計上した当初予算案は、前年度に比べ1億3758万6000円の減額。0・2%の減少となる。
主要事業として掲げている災害レジリエンスbPの実現へは221億1478万8000円を配分している。
このうち、重点水害アクション(5か年重点レジリエンス戦略)に12億4296万7000円を確保。利根川(伊勢崎市、玉村町)や石田川(太田市)などで河川整備を行う他、桐生川(桐生市)や霧積ダム(安中市)などでは豪雨に対応するため、機能維持や回復へ努める。また、住民の主体的な避難行動を促す情報の拡充として、危機管理型水位計や河川監視カメラの設置を進める。
中間レジリエンス戦略では、防災インフラの整備へ205億618万3000円、避難のサポートに3億6563万8000円を計上。碓氷川(高崎市、安中市)と蚊沼川(富岡市)などで水害リスクを軽減させるために事業を推進する他、下町の沢(渋川市)の土石流対策、はるな郷A地区(高崎市)のがけ崩れ対策、駒留地区(藤岡市)で地すべり対策などを実施する。さらに、災害時にも機能する強靱な道路ネットワークの構築として上信自動車道吾妻西バイパスや西毛広域幹線道路高崎西工区のほか、渡良瀬幹線道路笠懸薮塚工区、県道下仁田臼田線羽沢工区などの整備を進める。避難のサポートでは、マイ・タイムラインの作成支援や砂防基礎調査など実施する。
多様な移動手段の確保には115億7500万7000円を配分。誰もが安全で快適に移動できる社会の実現に向け、多様な移動手段の確保へ取り組む。
公共交通網の整備では、MaaS社会実装支援などの事業も含めて13億4551万9000円を確保。地方バス路線対策や、ステーション整備などを盛り込んでいる。自動交通網の整備には78億6232万8000円を充て、県道苗ヶ島飯土井線波志江飯土井工区や県道昭和インター線森下工区の他、国道254号福島西交差点や県道桐生伊勢崎線阿左美大原工区などで事業を展開していく。歩行者や自転車の安全な移動空間整備では、館林市の中央通り線や県道三夜沢停車場線深津工区の環境整備などへ23億6716万円を充てる。