鹿児島市が本港区エリア一帯の3カ所を建設候補地とするサッカー等スタジアムは、ドルフィンポート(DP)跡地での整備について塩田康一知事は「代替緑地の確保、臨港道路の付け替えなど多くの課題があり厳しい状況にある」と答弁。住吉町15番街区は「最終報告によると、桟橋構造による敷地拡張を計画。その場合に港湾計画の変更等の課題がある」と述べた。2日、県議会で長田康秀議員(自民党、鹿児島市・郡区)の一般質問に答えた。さらに、浜町バス車庫では土地所有者が取り下げを申し出たため同エリアでの整備は厳しい状況となっている。 同スタジアムの最終報告によるDP跡地での整備は、年間を通した稼働率が42.2%と想定。年間の半分にも満たないことから、塩田知事は「年間365日にぎわう拠点を形成することを開発コンセプトとしたグランドデザインとの整合性を図る課題がある」と説明した。
同エリアの利活用に係る検討委員会からは、ウオーターフロントパークは保全すべき、景観への配慮等を求める意見があり、DP跡地での整備は多くの課題がある。
住吉町15番街区での整備は2019年6月の定例会で県は「鹿児島市から協議があれば建設候補地として前向きに検討することも可能」と考えを示している。また、同地区には鹿児島商工会議所からMICE施設や観光施設等の整備を求める提言がある。
同エリア利活用の検討について塩田知事は「引き続き、議論が進められ全体像が取りまとめられると考えている」と締めくくった。
なお、下鶴隆央鹿児島市長は1日、スタジアム整備問題について聞かれた市議会の代表質疑で「ドルフィンポート跡地等での整備は厳しい状況にある」と現状について説明している。
■鶴田大口線
6カ所で対策実施
池畑知行議員(自民党、伊佐市区)は鶴田大口線の整備を質問。安原達土木部長兼本港区まちづくり総括監は「伊佐市側の約4kmは整備を終えており、さつま町側の約7kmは地形が急峻など抜本的に2車線改良が困難な状況にある。このため、視距改良3カ所、防災対策6カ所を実施。残る6カ所の視距改良等を進める」と明らかにした。