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建設経済新聞社
2023/03/03

【京都】脱炭素の新たなまちづくり始動 向日市を中心とするJR沿線に拠点形成 京都府らが連携協定を締結

 電気自動車(EV)やバッテリー、バイオものづくりなど、京都産業が世界的な競争力を有する分野を中心に、企業や大学、研究機関等が参画して脱炭素のものづくり技術を創出し、地方公共団体等とともに脱炭素のまちづくりの実装につなげる取組が本格始動する。
 京都府が新総合計画で掲げる産業創造リーディングゾーン「ZET−valley」の形成に向け、京都府、向日市、西日本旅客鉄道梶iJR西日本)、葛椏s銀行の4者は2日、連携・協力に関する協定を締結。2日・3日の2日間開催の脱炭素関連の企業や研究機関等が集う国際会議の開催にあたり、4者の代表が挨拶した。
 京都府の西脇隆俊知事は「4月から新しい総合計画がスタートする。そこでは地域の特色を生かした新しい産業の創出の拠点である産業創造リーディングゾーンを府内各地で構築することを目指している。その一つとして、EVやバッテリー、バイオものづくりといった京都が世界的な競争力を有する分野において、大企業、中小企業、スタートアップ企業、大学、研究機関とともに、CO2の排出をゼロにするZeroEmissionTechnologyの形成を目指すこととし、その頭文字を取ってZETと名付け、向日市を中心とするJR沿線に拠点の形成を図っていく。今日の会議はZET−valley形成に向けたキックオフのイベント。脱炭素を活用したまちづくりの国内外の先進事例や企業の先進的な取組の発表、研究開発プロジェクトの成果発表、ベンチャー・スタートアップ企業の革新的技術のプレゼンテーションということで、研究者や事業者の交流の場として開催するもの。さきほど4者でZET−valley形成に関する協定を締結した。今後、オープンイノベーションの推進や共創プロジェクトの事業化支援等、そして関係企業の誘致に連携して取り組む」と述べた。
 向日市の安田守市長は「昨年、向日市は市政施行50周年を迎え、それに合わせゼロカーボンシティ宣言をした。大胆な施策を行わなければカーボンゼロには届かないが、連携してZET−valleyの取組を進めていきたい」、JR西日本の長谷川一明代表取締役社長は「脱炭素化社会の実現に向け、2050年にJR西日本グループ全体のCO2排出量を実質ゼロとすることを目指し取り組んでいる。京都府をはじめとする地域と連携したまちづくりの推進において、府が推進するZET−valleyは環境負荷ゼロ技術を保有する企業の誘致、集積によって技術革新やまちづくりを目指すもの。府、向日市をはじめとする地域の皆様と連携しながら、沿線地域の雇用の創出を通じた定住人口、交流人口、関係人口の増加の好循環を生み出していきたい」「向日町駅では橋上化事業、市街地再開発事業が進められている。今後の時代を先導する最先端企業が集まるZET−valleyの玄関口にふさわしいまちづくりのお役に立ちたい」と述べた。

向日町支店及び東向日町支店
JR向日町駅西側に新築移転
京都銀行


 京都銀行の土井伸宏取締役頭取は「ZET−valleyの形成は、向日市を中心としたJR京都線沿線、さらに京都府全体の活性化にとどまらず、脱炭素関連のイノベーション、社会実装を通じてゼロカーボンをキーワードに世界に新しい都市の姿を示そうとする意義深いプロジェクト。京都銀行もグループを挙げた取組が必要であり、特にスタートアップ企業の支援、各種コンサルティングで脱炭素や環境のカテゴリーの高度化を図っていきたい」「向日町支店及び東向日町支店については、2024年夏頃をメドに、ZET−valleyエリアのJR向日町駅西側に新築移転する。構想段階だが、新店舗はZET−valleyにふさわしい、地域の脱炭素推進のサポート拠点として整備するとともに、脱炭素に配慮した設計にもしたい」と述べた。
 主な連携・協力事項は、@オープンイノベーションの推進Aスタートアップ企業と事業会社等との共創プロジェクトの創出、実証、実装の推進B共創プロジェクトの事業化支援C関係企業の誘致D効果的な情報発信EZET−valleyの中核となる先導拠点の誘致等。
 ZET−valleyの形成では、ZET−valley先導拠点(ゼロカーボンものづくりとまちづくりの橋渡しによる共創プロジェクトの推進(社会実装))、ZET−valleyラボ(脱炭素関連企業の研究所・新規事業開発部門、スタートアップ企業等の開発・量産ラボの集積)、ZET−valleyインキュベーション(脱炭素関連スタートアップ企業のインキュベーションオフィス)を計画しており、民間企業等の誘致を図る。