京都市2月市会の代表質疑(2日目)が2月28日開かれ、「市営住宅の居住性能の向上への取組」について、坂越健一副市長が答弁した。
坂越副市長は「京都市では平成16年に全国初となる地球温暖化対策に特化した京都市地球温暖化対策条例を制定し、先駆的な取組として、市営住宅をはじめとする公共建築物における断熱性能の確保や太陽光発電設備の設置、市内産木材の積極利用などに率先して取り組んできた」「市営住宅のさらなる省エネルギー化を進めることは、環境配慮や光熱費が軽減されるだけではなく、快適性の向上や入居者の健康増進に寄与するなど、子育て世代をはじめとした全ての世代にそのメリットを実感してもらえる。このため、今後、市営住宅の建替えを行う際にはこれまで以上の省エネルギー性能の向上を図っていく。この方針の下、現在、住棟の集約・建替えや機能改善を総合的に実施する団地再生事業を進めている6つの団地についても建替え住宅のさらなる省エネルギー化に向けた設計を進めている。具体的には、このほど公営住宅等の省エネルギー性能の大幅な向上を図るZEH(ゼッチ。ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)化の促進に向けて国の交付金が新たに拡充されたことを踏まえ、これを最大限に活用し、従来よりも外壁や窓等の断熱性能を大幅に引き上げる。これにより、現行の省エネルギー基準と比較してエネルギー消費量を20%以上削減し、住棟全体として最高水準の省エネルギー性能を確保するZEH−マンションオリエンテッドを達成する。また大規模改修の際にも、防水改修時の屋上断熱化や共用部分の照明のLED化など、引き続き既存住棟の省エネルギー化も進める」と述べた。
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市が団地再生事業を進めるのは、錦林団地(左京区鹿ケ谷高岸町、永観堂西町)、壬生東・壬生団地(壬生東は中京区西ノ京北小路町、西ノ京新建町、壬生は右京区西院上花田町)、三条・岡崎団地(三条は東山区教業町ほか、岡崎は左京区岡崎最勝寺町ほか)、養正団地(左京区田中馬場町ほか)の6団地。
錦林団地は、既存住棟等を解体した跡地に集約した更新棟を2棟建設するとともに、住棟等の集約で生じる用地を活用予定エリアとして創出する。
壬生東・壬生団地は、敷地が広い壬生東地域に集約して更新棟を3棟建設。旧住棟等は除却(解体)し、跡地には新たな施設の導入を図る。
三条・岡崎団地は、三条地域の花見小路通東側の住棟等を除却し、更新棟を3期で5棟(1期1棟、2期2棟、3期2棟)建設する。岡崎の入居者は更新棟に住み替えとなり、移転後の岡崎の住棟は全て除却する。住棟の集約で生じる用地は活用予定エリアとして活用を図る。
養正団地は、平成16年築の21号棟以外の住棟6号〜13号棟、51号、52号棟を全棟除却し、新たに更新棟を3棟建設する計画。団地を集約することで団地中央に位置する9・11・12棟敷地などを活用予定エリアとして創出する。