日本工業経済新聞社(埼玉)
2023/02/24
【埼玉】県農林部 小規模ICTで研修会
県農林部は20日、東松山市内の東松山農林振興センターで、「小規模ICT研修」を開いた。研修は、県測量設計業協会(及川修会長)が協力し、同会賛助会員の埼玉測機社が講師を務めた。当日は同部のほか土地改良区、県土地改良事業団体連合会の職員らおよそ30人が参加。最初に座学を行った後、実際にICT建機を使ったデモンストレーションも行われ、参加者はICT施工について理解を深めた。
研修に先立ちあいさつに立った県農林部農村整備課の内野匡主幹は「農業の基盤整備は、建設業の力なしにできない。近年叫ばれている建設業の担い手不足、高齢化、時間外労働の多さを背景に、新担い手三法など法律も整備もされている。農業の基盤整備においても、ICT、週休2日、施工時期の平準化など建設業の働き方改革に取り組むことは必須になっている。ICTは大規模な工事での無人化施工をイメージする人も多いと思うが、本日は農業部門でも比較的取り組みやすい小規模なICT施工について紹介するので、ほ場整備や水路整備など色々な場面でご活用いただきたい」と農業農村整備部門での展開に期待した。続いて及川会長は「本日は測量の先端技術を学ぶごとができる。埼玉県では大野知事をリーダーとしてDXを約5年間かけて整備する方針で、埼玉県に要望し、協会員の技術者が3次元データでの測量が対応できるように発注をお願いしている」と述べるなど、ICTへの理解が進む有意義な研修となるよう期待した。
座学では、ICT施工の概要やこれまでの流れ、ICT建機やTSを使用した3次元設計データの作成などを説明したほか、農業農村整備分野における活用や導入事例などを紹介した。その後、屋外に場所を移し、ICT建機とTSの2班に分かれたデモンストレーションを実施。参加者は実際に操作を見ながら理解を深めた。