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建通新聞社(静岡)
2023/02/27

【静岡】静岡県 新労務単価に特例措置

静岡県は、県発注工事に3月1日から適用する公共工事設計労務単価と設計業務等技術者単価の特例措置の運用について、出先事務所や建設業団体に通知した。特例措置では、旧単価で予定価格を積算し、3月1日以降に契約する工事の受注者が、新単価で変更契約を請求できる。今回の単価改定は、職種平均で5%を超える大幅な上昇となり、変更契約を結ぶ工事・委託の増加が見込まれるため、受注者からの請求と協議開始までの期限を前年度より延長した。
 国土交通省が2月14日に発表した労務単価は、全国全職種平均で5・2%増の2万2227円となり、単価公表後で3番目に高い伸び率となった。静岡県内の全職種平均の労務単価も5・0%増と大きく伸びた。全国一律に設定する技術者単価も全職種平均で5・4%増の4万4455円と大幅に上昇している。
 特例措置は、単価が上昇に転じた13年度以降に直轄事業や自治体発注の工事・委託などに適用されているもの。引き上げ前の旧単価で予定価格を積算し、新単価の適用日以降に契約した工事・業務について、受注者が請求した場合に発注者が新単価を反映して変更額を算出、契約変更できる。
 県の特例措置も、旧単価で積算し、3月1日以降に契約する工事・業務が対象。まず発注者は契約後に特例措置の対象工事であることを受注者に通知。受注者は通知後14日(土日含む)以内に発注者に変更を請求する。発注者は請求から14日以内に協議を開始し、双方が合意すれば変更契約を結ぶ。
 ここ数年の労務単価と技術者単価は伸び率が鈍化し、変更額が小幅になったために特例措置の適用を見送る受注者もあったが、今回の労務単価改定は13年度の15・1%増、14年度の7・1%増に次ぐ、単価公表後3番目に高い伸び率。技術者単価も5%を超える高い伸び率となったため、県は変更手続きが集中することに配慮し、受注者からの請求と受発注者が協議を開始するまでの期限をこれまでの7日間から14日間にそれぞれ延長。受注者への通知時期を分散することも求めている。
 一方、2月28日以前に契約した県発注工事の受注者は、インフレスライドで新しい労務単価を反映した変更契約を請求できる。変動額が対象工事費の1%を超え、残工期が2カ月以上あれば、発注者と変更契約を協議できる。