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建通新聞社四国
2023/02/24

【高知】県土木部 デジタルツインの検討に着手

高知県土木部は、2023年度のインフラ分野のDX(デジタル・トランスフォーメーション)を「建設現場の生産性向上」「新技術を用いたインフラ施設の維持管理」「新技術を活用できる人材育成」「デジタル技術を用いた行政サービスの変革」の4本柱で推進する。新規事業では、ドローンによる砂防堰堤の3Dモデル化やデジタルツイン(3次元の仮想空間)による行政サービスの検討に着手。これまで実施していた事業も拡大し、デジタル化のバージョンアップを進めていく考えだ。
 デジタルツインは現実世界の情報を基に仮想世界に同じものを複製し、さまざまなシミュレーションを行っていくもので、23年度にはデジタルツインのベースとなる都市モデルを作成し、浸水可視化シミュレーションを行う。ドローンによる砂防堰堤の3Dモデル化は23年度に20カ所で実施し、25年度までに60カ所を完了させる。県はこのデータを地震発生時の緊急点検などに活用する方針。
 砂防施設以外のインフラ点検では、橋梁でドローンや人工知能(AI)ひび割れ検出システムによる点検を23年度に10橋、24年度以降は年間30橋程度で実施し、28年度までに154橋で完了させる。路面ではレーザーを搭載した路面性状自動計測車による点検を延長476`で実施する。河川ではグリーンレーザー測量による3次元カルテを5河川で作成し、27年度までに27河川で完了させる。ドローンやレーザーを使った水門、ダム、離岸堤の点検も行う。
 建設現場の生産性向上では、ICT活用工事の目標数値を110件に設定。建設業デジタル化促進モデル事業による現場見学会を通じ、ICT技術の成功事例を普及させる。また22年度に実施したBIM/CIMの活用業務を工事に展開する。建設生産プロセスの効率化に向けては、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)によるリモート検査やICT技術を活用した構造物の出来形確認への検討に着手する。
 行政サービスでは、入札参加資格申請や、建設工事・委託に関する書類の電子申請を進める。人材育成に向けては、現場技術者向けの3次元設計データ作成と実地演習を開催する計画。
提供:建通新聞社