京都市は、京都駅東側の京都市立芸術大学移転地に隣接する市有地(将来活用地)について、プロポーザル方式で活用事業者を選定するにあたり、2月28日に選定委員会の初会合を開く。
対象の市有地は、河原町通の側道に面した4002・10u(仮換地地積。下京区下之町21−1ほか52筆)で、東西に細長い形状の土地(東西で最大約120m、南北で最大約34m)。芸大移転新築工事の工事ヤードとして使用中《=写真》。
用途地域は商業地域で、建ぺい率は80%、容積率は600%。高度利用地区による容積率(京都駅周辺地区・A地区)は、誘導用途(店舗、飲食店その他これらに類するもの、事務所、ホテル、旅館、病院、診療所、学校)とする場合は「プラス100%」、一時滞在施設を確保する場合は「最大プラス100%」。高さ規制は31m第1種高度地区。
市は、当該市有地を活用して、京都の未来を創造し、日本・世界に発信する新たな拠点を生み出すため、令和4年6月〜8月にサウンディング型市場調査を実施。調査結果によると、現地見学会には23事業者が参加し、事業構想は13事業者が提案した(令和4年8月末時点)。令和4年8月末以降、11月30日まで事業構想に係る対話を実施した。
主な提案として、複合的な機能を有する拠点や、起業家等の支援施設、商業施設、住居やオフィスなど具体的な提案があった。また市への要望として、50年以上の長期にわたる一般定期借地契約を希望する意見が多くあった。市民等からのアイデア提案については80件の提案があった。
調査結果を踏まえ、市は当該市有地の活用事業者をプロポーザル方式で公募する方針を決め、公募条件の骨子をまとめた。主な内容は、活用計画の要件として、(ア)SDGsの実現、(イ)都市の成長戦略、(ウ)理念・効果の波及、(エ)理念・効果の実感、活用計画策定における留意事項として(ア)京都芸大及び地域との円滑な関係や調和の確保(京都芸大の意匠との調和、エリアの新たな魅力を形成する建物等)、(イ)責任ある実施体制の確保、(ウ)継続的な事業効果の確保、(エ)整備する建物への制約等(建物全体を単一用途とする整備は不可、共用部分・空間の充実、文化をコンセプトに据えた建物)を挙げた。
主な貸付条件としては、貸付の期間は30年以上60年以内の範囲内で定期借地権を設定。最低貸付料(不動産鑑定評価額)は2470万円/年とする。
公益性を更に高めるため、当該市有地に整備する公益的な拠点については、最大50%の貸付料の減免措置を講じる。
活用事業者の選定では、学識経験者らを委員とする附属機関(選定委員会)を設置し、2月28日に初会合を開き、募集要項案を審議する。
その後は、3月上旬に募集要項を配布(公募開始)、6月上旬に応募を締め切り、7月以降の選定委による審議を経て、活用事業者を選定する予定。