トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社(静岡)
2023/02/24

【静岡】23年度の県立学校 改築費、高い水準で維持

 静岡県は、2023年度当初予算案に県立学校の長寿命化事業に90億5776万円を確保した。校舎改築では、富士宮東、富士宮北、清水西、焼津中央の4校で本体工事、沼津東高校と静岡北特別支援学校の2校で設計に着手する。20年3月に策定した「学校施設中長期整備計画」が4年目を迎え、22年度に倍増させた長寿命化事業費を23年度も同じ水準で維持する。
 県立学校では、2000年代に耐震補強を優先して進めたため、改築工事に財源を充てる余裕がなく、老朽化が進んでいる。総延べ床面積が152万平方bに上る県立学校を計画的に保全するため、県は今後30年間にわたって老朽化対策を計画的に進めるために中長期整備計画を策定した。
 旧耐震基準の校舎を優先的に改築し、構造・敷地活用などの視点で改築時期の調整が必要なものは長寿命化改修を行うなどとしている。計画を踏まえ、県立学校の長寿命化事業費は、20年度に約21億円、21年度に約44億円、22年度に約95億円と2年連続で倍増。23年度も前年度と同規模の予算を確保し、老朽化したストックの改築に引き続き注力する。
 一方、ロシアのウクライナ侵攻後の資材価格高騰を受け、学校の建築費も大幅に上昇している。県立学校の関連工事でも、5件の議会案件の増額変更が22年12月定例会で承認されるなど、スライド条項を活用して価格上昇に対応している。23年度は、これまでの価格上昇に応じて契約当初の単価を設定する他、価格がさらに上昇した場合にはインフレスライドなどの協議にも応じるとしている。
 改築後の校舎の環境性能の向上にも力を入れる。県は新築する県有建築物を23年度から原則としてZEB化する方針で、改築工事を増やしている県立高校でも、再生可能エネルギーを除いて一次エネルギー消費量を50%削減するZEB Readyの達成を目指す。
 一方、老朽化した校舎の改築とは別に「県立学校等施設整備事業費」として、27億0500万円も確保する。特別支援学校の再編では、旧磐田市立豊田北部小学校跡地に新設する「中東遠・浜松地区特別支援学校」の設計費などを確保する。県立学校の施設整備と老朽化対策を合わせ、総額142億5240万円を23年度当初予算案に計上している。