横浜市温暖化対策統括本部は、市郊外部での再エネ設備導入に向けた調査・検討業務と、市外での再生可能エネルギー電力調達手法調査業務を2023年度にそれぞれ外部委託する予定でいる。事業費として、23年度当初予算案に500万円ずつ計上した。使用電力のうち、再エネで創出した電力の割合を増加させ、脱炭素化に貢献する。
市郊外部での再エネ導入に向けた調査・検討業務では、旧上瀬谷通信施設や深谷通信所跡地などの広大なエリアや農地、住宅地などで、どのような再エネ設備を導入できるかを検討する。農地であればソーラーシェアリング、住宅地であればソーラーカーポートといった手法などを想定している。
調査結果を踏まえ、24年度以降の導入の道筋を考える。
〜市外での再エネ創出を検討〜
再エネ電力調達手法調査業務では、市内で使用する電力を調達するために市外に発電所を設ける場合の手法や、設置可能エリアを検討する。太陽光発電や地熱発電、風力発電などの発電所を直営やリース方式、PPA(電力購入契約)事業などの手法で整備できないか調査する。
横浜市の試算によると、市内での再エネ電力の創出ポテンシャルは、50年の市内消費電力量の10%に満たない。そこで、これまでに16市町村と連携協定を締結し、地方で再エネ電力を創出する発電事業者から、小売電気事業者を通して横浜市内企業が購入することで、電力消費量に占める再エネ電力の割合を増加させてきた。
これに加えて、今後は、他県で市が発電所を整備するか、民間事業者の再エネ発電所整備を補助するかして、市内で使う電力量を確保する。
今回の業務の成果を踏まえて、24年度以降に発電所の整備≠開始したい考えだ。
これまでに連携協定を結んだ市町村は次の通り。
▽青森県横浜町▽岩手県久慈市と二戸市、葛巻町、普代村、軽米町、野田村、九戸村、洋野町、一戸町▽秋田県八峰町と大潟村、湯沢市▽福島県会津若松市と郡山市▽茨城県神栖市
提供:建通新聞社