施工能力2型 企業の施工能力のみ評価 特定工事を追加 受注実績評価も見直し 県では、総合評価落札制度を改正し、来年度に「施工能力2型」と「特定工事の受注実績評価」を見直すとともに、総合評価落札方式における「事後評価・同時提出タイプ」を拡大する。
施工能力2型は、県工事の施工実績や表彰実績などを評価しないことで、これらの実績がない企業の育成促進を目指したもの。設計金額7000万円〜1億円の土木一式(陸上、海上工事)、とび・土工・コンクリート(吹付、地すべり対策)、舗装の各工事で適用している。
ただ、配置予定技術者が県発注工事の実績を持たないことから受注できないケースも少なくない。このため今回の見直しでは、「配置予定技術者の能力」の評価(計1・5点)をなくし、企業の施工能力(実績関係、地域精通度・地域貢献度など計3・5点)のみを評価する形に変更。多くの技術者が、さまざまな工事の経験を積む機会を拡大する方針だ。
特定工事を拡大 実績評価を細分化 特定工事は、応札率が低く、不調不落の多い工事が対象。2022年度に「災害復旧」「トンネル補修」「橋梁補修(耐震補強含む)」「浮桟橋補修」の4工事を設定した。特定工事の受注実績を加点評価することで、同工事の受注を促すことが狙いだ(土木一式の陸上工事の技術提案型、施工能力1型、施工能力2型で適用)。
23年1月からは特定工事に「電線共同溝」「ダム補修」「砂防」の3工事を追加した上で、23年度から計7工事の受注実績評価の適用を開始する。
評価対象の拡大により実績件数が増えるため、評価内容も変更。現在、実績の有無のみで評価(技術提案型と施工能力1型=実績あり0・6点、施工能力2型=実績あり0・3点。実績なし0点)しているものを細分化。技術提案型と施工能力1型で、実績3件以上0・6点、実績2件0・4点、実績1件0・2点加点。施工能力2型は、3件以上0・3点、2件0・2点、1件0・1点とする。併せて、実績が評価される企業を増やすため、特定工事の受注実績を評価する期間を、現行の「過去1カ年度+公告日まで」から「過去2カ年度+公告日まで」に拡大する。
なお、特定工事の発注方式は、原則一般競争入札とし、受注機会の公平化に配慮する方針だ。