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日刊建設タイムズ社
2023/02/20

【千葉】ECI採用を決定/柏病院の基本計画案公表/現地建て替え181億円/柏市

 柏市は17日、市立柏病院再整備基本計画案を公表した。市立柏病院について、現地建て替えを行う。工事難易度が高く、設備の切り回しなど、施工業者の知見を生かした設計が必要となることから、アーリー・コントラクター・インボルブメント(ECI)方式を採用する。概算事業費は181億2000万円。建物の配置について「北側」「中央」「南西側」の3案を検討し、「中央」案を最良とした。病床数は240床を想定。建物の延べ床面積については、他自治体の事例を参考とし、病床数から2万160uと試算。駐車可能台数は500〜550台程度。
 今後は、2023〜24年度に基本・実施設計をまとめ、24年度に技術協力者を選定する。24〜25年度に事前移設など、また25〜28年度に建設工事を行い、28年度の開院を見込む。28年度以降に既存施設の解体・外構工事を実施する。
 23年度当初予算案には、基本設計委託料など1億3500万円を計上するとともに、24年度分の7500万円を債務負担行為に設定。また、実施設計に総額3億5000万円の2か年継続費を設定している。年割額は、23年度0円、24年度3億5000万円。
 概算事業費の内訳は、設計・工事監理費7億円、建築工事費115億9000万円、ZEB化想定工事費等14億1000万円、外構工事費3億円、解体経費4億8000万円、医療機器等整備費33億6000万円、設計・開院等支援料1億8000万円▽移転費等1億円。
 事業費に関しては、建設費の高騰、新型コロナウイルス感染症対応等に伴う整備面積の拡大、大型機器の更新、ZEB化などにより、17年度に策定したあり方における想定と比較し、約1・8倍の見込み。
 収支シミュレーションでは、減価償却費の負担が大きく開院6年目までは赤字となるが、経営改善により、7年目以降の黒字化を目指す。
 建物の配置に関して、中央案を最良としたが、既存の病棟や介護老人保健施設はみんぐの診療・療養・居住環境への影響がないとは言えず、患者や入所者への心理的・肉体的な負担が生じる恐れがあるため、設計や施工段階で最大限配慮した対策を講じる必要がある。
 病床数の内訳は、急性期一般病棟が196床程度、HCU(高度治療室)が4床、地域包括ケア病棟が40床程度。
 標榜診療科は16科だが、急性期治療や2次救急の機能を強化するため、救急科(総合内科医)と脳神経外科を新設する。また、地域の2次医療機関・公立病院としての診療機能や経営環境の強化を目的に、患者サポートセンターやHCU(高度治療室)を新設するとともに、救急外来・感染症対策・手術・健診センター・災害対策といった機能を拡充する。
 隣接する介護老人保健施設はみんぐは、スペースや老朽化度合いを考慮し、認知症療養棟(B棟)を解体撤去する。機能については、工事着手前に、敷地内に仮の施設を設置して移転する方針。また、事務部門や給食調理など病院と共通する機能は一元化し、一体的・効率的な運営を目指す。
 院内保育所ひまわりについて、施設の老朽化が顕著であるため、解体・撤去し、病院建物内に病児・病後児保育を含む院内保育所を整備する。
 医師宿舎・看護師宿舎は、倉庫や委託職員の休憩スペースとして本来の目的とは異なる使用がなされている。建物の老朽化が著しいため再整備は行わず、民間賃貸住宅を借り上げるとともに、倉庫や委託職員の休憩スペースについては病院建物内に設置する。
 柏病院は、布施1―3に所在。敷地面積は約3・4万u。
 新病院の目指す姿として▽患者にとって利用しやすく信頼される▽急性期医療や小児医療を中心とする診療を担う▽安全・安心で快適な療養環境を提供する▽スタッフが誇りと働きがいを持てる魅力がある▽健全で効率的な経営により持続が可能――を掲げた。
 また、期待される役割として▽小児2次医療体制の整備▽急性期医療の提供▽在宅復帰支援▽在宅復帰支援▽日常的疾患への対応▽セーフティーネットの医療――を挙げた。k_times_comをフォローしましょう
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