香川県は2023年度の当初予算案をまとめた。一般会計には前年度比1・4%減の4883億2000万円を計上した。一般会計総額の減少は6年ぶりだが、過去20年では22年度当初に次ぐ2番目の規模となっている。投資的経費は5・0%増の580億3500万円で、サンポート高松地区で県立アリーナ本体工事を本格化させ25年3月の開館を目指す。周辺ではアリーナへの快適な歩行空間を確保するため屋根付き歩道や連絡デッキなどを整備する。合同庁舎移転整備の基本設計費や旧県立体育館の解体へ向けた実施設計費なども組み込んでいる。
23年度の予算は「県総合計画の見直し骨子案」に基づく17重点施策を進めるよう編成。事務事業の見直しやスクラップ・アンド・ビルドを徹底することで、喫緊の課題となっている新型コロナウイルス感染症対策、物価高騰対策、企業誘致やスタートアップ支援、防災・減災、物流・人流を支えるネットワークの整備、人口減少・地域活力向上対策などの事業に予算を重点配分している。
重点施策のうち、「教育の充実」に102億1420万円を充てる。多度津高校校舎棟改築の基本設計や笠田高校校舎棟第2期改築工事、東讃地域の統合高校整備では用地取得を進めるとともに地質調査、造成設計、基本設計などに着手する。香川丸亀支援学校では給食棟改築に向けて基本設計を委託する。
「災害や渇水に強い県土をつくる」に126億2095万円を確保する。ため池防災対策等事業では4月に策定予定の「香川県老朽ため池整促進計画(第12次5カ年計画)」に基づき、危険ため池の整備や受益地のないため池などの防災対策に取り組む。県有施設の耐震化対策では高松合同庁舎移転に向け移転先の地盤調査と基本設計に着手する。
「四国の玄関口として確かなインフラ整備を進める」に138億3137万円を投入する。サンポート高松地区プロムナード化など周辺環境整備では県立アリーナへ向かう屋根付き歩道や連絡デッキなどを整備する他、サンポート高松地区全体で、にぎわいある一大プロムナードとなるよう、歩行者が安全で快適に歩ける空間づくりを検討する。
「グリーン社会の実現」に15億2344万円を計上。市町の脱炭素に向けた取り組みを支援する地域脱炭素導入支援事業に着手する。また、高松港で港湾脱炭素化(カーボンニュートラル)推進計画を策定する。
提供:建通新聞社