「知事として初めての通年型予算。幸福度日本一を実現するため、様々なアイデアを出し、具体の実行に移していきたい。人口減少時代の中、石川の個性、魅力、基盤整備を継承し、さらなる飛躍を図っていきたい」―。15日の記者会見で馳浩知事は就任後初となる当初予算案の編成に力を込め、主要事業の概要を語った。
野球場や産業展示館の改築となる西部緑地公園の再整備については、「昨年8月に有識者からなる構想検討委員会を立ち上げ、これまで2回の委員会を開催するなど、鋭意検討を進めている。春ごろには再整備構想の骨子案や配置案を示したい」とし、その後、「PPP/PFI手法の検討や民間事業者から広く意見を聞くマーケットサウンディング(対話型市場調査)を実施した上で早ければ、年内に再整備構想の最終取りまとめを行いたい」と語った。
長く県民に親しまれてきたスポーツとイベントの拠点である西部緑地公園が、県内外から多くの人が訪れるさらなる賑わいの拠点となるよう取り組んでいく考えを示した。
令和6年度の工事着手を目指す金沢城二の丸御殿に関しては、「復元対象となる建物の設計や障壁画の再現に向けた検討を進めており、御殿復元の気運を高めるため、昨年10月、御殿の歴史や復元整備の取り組みを紹介する二の丸情報館を開館するなど、多くの人に御殿の魅力に触れてもらっている」とした。
今後、秋の国民文化祭や来春の北陸新幹線県内全線開業を見据え、「三十間長屋の修理や御殿の発掘調査などを現地で体験できるツアーの実施、デジタル技術を活用した御殿のVR映像の制作・公開など、情報発信を強化する」と述べた。
末永く金沢城の関心を持ってもらうため、「事業の進み具合やこの機会を捉えた効果的なPRの情報発信計画を新たに策定し、今後の気運醸成の取り組みに反映させ、文化観光の推進につなげていきたい」と強調した。
消防学校には、これまで有識者や消防関係者による検討会を設置し、「激甚化、頻発する自然災害を踏まえ、教育訓練拠点のみならず、総合的な防災拠点としての機能強化についても議論され、9日に提言を頂いた」とし、「来年度は消防学校を核とした総合的な防災拠点の整備指針となる基本構想の策定に着手する」と述べた。
立地場所については、必要な機能が確保できるよう面積が広大であり、県内外の関係者が参集しやすいよう、県央部の陸上交通の結節点付近にあることなどが望ましいとされた今回の提言を踏まえ、「金沢市二日市町地内の県有地、農業公園用地が最も適しているとの判断に至り、ここに立地することにした」と語った。