横浜市建築局は老朽化した消防訓練センターの更新で、劣化の著しい北側エリア約2万7000平方bの再整備に先行着手する。訓練塔や観覧席を除却して新しい高層訓練塔と放水訓練場、走行訓練施設などを建設する計画で、2023年度に基本設計、24年度に実施設計を進め、25年6月〜28年3月に整備工事を実施する。このほど設計業務の委託先選定で公募型簡易プロポーザルの手続きを開始した。
件名は「消防訓練センター訓練施設更新整備工事に伴う設計業務委託」。参加資格は「建築設計」で所在地区分が「市内」か「準市内」の単体。消防関連施設の業務実績を求める。参加意向申出書の提出を2月24日まで、提案書を4月10日まで受け付け、審査を経て5月下旬に受託候補者を特定する。業務の概算予定価格上限は2760万円(税込み)。
工事の手順はまず、25年6月ごろ敷地東側の観覧席と大訓練場部分の舗装を解体し、観覧席跡地に風水害訓練施設を、大訓練場跡地に救助訓練塔を建設する。
その後、26年7月ごろ北側の救助訓練塔と訓練塔、舗装の解体を開始し、11月ごろ跡地の高層訓練塔の建築に着手。震災対策訓練施設と街区訓練施設、走行訓練場とともに28年3月までに整備する。
プロポーザルで求める内容は▽施設計画の考え方▽設備計画や建物計画▽訓練機能維持とローリング工事の効率性への配慮▽工事中の安全や施設運営への配慮―など。
安全で時代に即した施設で訓練を積み重ね、消防力を維持・強化できる消防訓練センターを目指す。
建設地は戸塚区深谷町777の敷地面積5万4093平方b内。
基本計画の策定は梓設計(横浜市中区)。
消防訓練センター内の他の施設は▽校舎棟▽宿舎棟▽屋内訓練場▽小訓練場▽実務訓練室兼車庫▽機動二輪車庫▽走行訓練場▽消火訓練場▽水難救助訓練場▽潜水訓練場―があり、今回の整備範囲には含まれない。
先行整備する新築建物と解体施設は次の通り。
■新築建物概要
▽高層訓練塔と高層訓練デッキ―鉄骨鉄筋コンクリート造5階建ての訓練塔と鉄骨造4層の訓練デッキ合計1700平方b
▽救助訓練塔―鉄骨造6階建て延べ1400平方b
▽放水訓練場―約5000平方b
▽走行訓練施設・外周走行路―外構面積約6000平方b
▽街区訓練施設―外構面積約1700平方b
▽風水害対策訓練施設―約1000平方b
▽震災対策訓練施設―外構面積約2000平方b
■解体施設
▽訓練塔―鉄筋コンクリート造地下1階地上8階建て延べ約625平方b
▽補助訓練塔―鉄骨造6階建て延べ約292平方b
▽高圧ガス容器保管庫―ブロック造平屋約19平方b
▽救助訓練塔―鉄骨造メロー構造A塔6層、BC2層延べ約720平方b
▽高圧ガス製造施設―鉄筋コンクリート造平屋約13平方b
▽消火訓練棟―鉄骨造地上2階建て延べ約191平方b
▽プロパン庫―ブロック造平屋約6平方b
提供:建通新聞社