トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

日本工業経済新聞社(埼玉)
2023/02/15

【埼玉】埼玉県土木施工管理技士会/県土整備部/技術懇談会を開催

 埼玉県土木施工管理技士会は8日、県土整備部との技術懇談会をさいたま市内の埼玉建産連研修センターで開いた。技士会からは設計・積算や総合評価方式、生産性の向上・働き方改革に関することなど14項目を議題として提案。技士会で技術顧問兼副会長を務める山口勝氏が代表して提案内容を説明し、県がそれぞれ回答。県は「できることは早期に改善したい」と述べるとともに、諸課題で認識を共有した。
 当日は技士会から松本会長をはじめ県内12支部から支部長や副支部長、県土整備部は建設管理課の高橋厚夫課長をはじめ県土整備事務所の施工監理主幹らが出席した。
 冒頭、松本会長は「社会がデジタルトランスフォーメーション(DX)に向かっている今だからこそ、建設業の改革を進めることができる時だと思う。われわれが行う提案や要望についてご指導を仰ぎたい」と述べ、有意義な会となるよう期待。県建設管理課の高橋課長は「新型コロナウイルスにより、私たちの生活様式は大きく変わり、デジタル化やペーパーレス化が急速に進んだ。建設業においてもICT施工などデジタル化による生産性の向上が図られている。本日は県からの情報提供のほかに、技士会からいただいた議題について意見交換するが、受発注者双方の共通認識を図るため、忌憚のない意見を伺い、さらなる技術の向上や働き方改革につながることを期待している」と応じた。
 意見交換会は、設計や積算に関することからスタート。条件明示と工事工程表の開示や、当初契約に新規工種が追加された場合には、当初契約時の落札率を適用せず随意契約として発注するよう求めた。
 総合評価に関しては、継続教育(CPD)の取り組み評価と対象工事拡大について技士会は「継続して資質能力の維持・向上に取り組んでいる技術者には、適切な評価をしてほしいと思う。土木U型、若手育成型にもCPDを評価の対象としてほしい」と求めた。これに対し県側は「評価項目選択型等は、発注者の判断により選択できる評価項目として設定している。技術者にとって継続学習制度は、最新の知識や技術を習得する欠かすことのできないものと認識している。状況をしっかりと把握しながら評価項目の対象について検討していきたい」と述べた。
 県産品の選定について「県産品として選定されたものには、県産品に該当しない場合がある。該当の有無を確認してほしい」と求めると県側は「工場を確認しても、その商品を実際は工場で製作していないといった事例もあったと聞いている。こうした状況を回避するために、事前の確認を十分行ってから工事発注するよう各発注機関に働きかける」と理解を求めた。
 工事関係書類の電子納品について質問すると県側は「工事情報共有システム(ASP)は昨年4月から、当初設計金額6000万円以上を対象に本格導入を開始している。今年度の実績状況を踏まえ、次年度以降は当初設計金額3000万円以上へ拡大を予定している。また、電子納品運用ガイドラインも現在見直しを行っている。APSは規模に限らず受注者希望の利用は受発注協議で可能だ」とし、積極的な活用を呼びかけた。
 検査書類の簡素化について技士会は「関東地方整備局では2021年度より検査書類限定型工事として、検査書類を10種類に限定して検査を実施している。埼玉県では導入についてどのように考えているか」と質すと県側は「総合技術センターの土木工事検査員と意見交換したところ、国交省が実施している検査書類限定型の10種類で十分ではないかとの意見を聞いている。安全対策に関係する書類は検査とは別に確認することも考えられる。国交省や他県の事例を参考にしながら書類の簡素化を行っていきたい」との考えを示した。
 意見交換終了後、高橋課長は「本日はいろいろ技士会の実情をお伺いした。できることは早めに対応し、すべての要望事項に対し、改善できることは改善していきたい」と総括した。