横浜市都市整備局は、旧上瀬谷通信施設の「観光・にぎわい地区」で計画しているテーマパークの整備に向け、公募型プロポーザル方式による民間事業者の募集を今月末に開始する。公募と同時に市が旧上瀬谷の目指す姿を示した「旧上瀬谷通信施設土地利用基本計画デザインノート」を公開し、それを踏まえた提案を求める。事業提案を「横浜市旧上瀬谷通信施設地区活用事業審査委員会」(委員長・岸井隆幸計量計画研究所代表理事)で審議し、2023年度上半期中に事業予定者を特定する。2月13日に開かれた横浜市会建築・都市整備・道路委員会で報告した。
観光・にぎわい地区約70fにテーマパークを核とした複合的な集客施設を民間事業者に整備してもらう。70fのうち売却予定の保留地は約40f、貸し付け予定の換地(民有地)は約30fとなっており、売却または貸し付け価格は、現時点での鑑定評価価格を示す。テーマパークの事業期間はできるだけ長期間となるよう設定し、30年代前半の開業を目指して整備を進めてもらう。価格競争での評価は対象とせず、事業内容や周辺地域活性化への貢献などを評価する。
デザインノート(案)で市は、「日本が持つ文化や技術、地域資源が融合した発信力と競争力のあるコンテンツにより、日本国内のみならず海外からの来街者が見込める次世代に向けたテーマパーク」を想定。来街者が何度も訪れたくなる心に残る風景とエリアブランディングを行い、ヒト・モノ・コトが行き交い経済が活性化する新たな横浜の拠点を形成することとした。
22年12月21日〜23年1月20日に募集したデザインノート(案)に対する市民意見としては、▽新しい機能の誘導と形を変えながら価値を継承することが必要▽民間や住民などとの連携しながらのエリアマネジメントの徹底▽太陽光や廃棄物リサイクルの他、風力や小水力下水汚泥など「炭素」ゼロの実現▽新たなインターチェンジや新たな交通の整備―などが寄せられた。
〜秋以降に土地区画整理事業工事本格化〜
旧上瀬谷通信施設地区の土地区画整理事業の進捗は現在、米軍施設撤去工事を進めており、秋頃の仮換地指定を経て本格工事に着手する。
整備に当たっては、公園・防災地区の地形を生かすため切土・盛土を少なくするようにする。砲弾などが地中に埋まっている可能性も踏まえ、磁気探査調査を行うなど安全に配慮して進める。
提供:建通新聞社