南九州市の2023年度当初予算案が明らかになった。一般会計の総額は270億2600万円で、前年度当初比11・1%(27億349万円)の増。新クリーンセンター建設に伴う負担金や新庁舎建設、頴娃運動公園多目的広場整備などの事業費増を主因に、5年連続で過去最高額を更新した。普通建設事業費には前年度当初比18・1%(5億962万円)増の33億2421万円を計上。注目の新庁舎は24年度の本体発注を視野に実施設計や敷地造成に入る。
基本設計案を公表した新庁舎建設事業は現在、パブリックコメントを実施中。3月中にも実施設計に入り、23年度は敷地造成や既存施設の解体も進める。建設場所は知覧農業振興センターの跡地で、基本・実施設計(公募型プロポーザル)は山下設計・ゲンプラン設計JVが担当。建物規模はS造3階建6570u程度を見込み、24〜25年度での整備を目指す。今回の予算内訳は工事請負費2億7198万円、委託料1億8248万円−など。
一部新規として予算化した頴娃運動公園の整備は、プール(解体発注済み)の跡地を活用して多目的広場を建設する計画。1億5497万円の事業費を充て、広場造成のほか、東屋、トイレ(設計含む)の新築、浄化槽設置等を行う。
道路関係では、地方創生道整備(1億5830万円)で新規3路線を含む6路線の改良等を予定。永田原田線や高田大久保線、瀬世松崎線で測量設計に着手するほか、継続分では後岳線(223m)や中村下門線(102m)などに工事請負費を盛り込んだ。道路メンテナンス(3億3873万円)では、清水渓谷橋(55m)や上大渡橋(47m)、川口橋(42m)など8橋の補修設計や花園トンネル(108m)、松王城橋(35m)の補修工を予定している。
住宅整備は、牧之内団地に1億7895万円の工事請負費を計上し、8〜10号棟(W造平屋建て3棟6戸)の工事を発注する見通し。実施設計を終えた郡地区公民館(RC造2階建771u)の全面改修も進める。学校関係では、小学校の校舎・屋内運動場のバリアフリー化(松山小、勝目小など)や照明LED化(頴娃小、別府小など)、中学校では川辺中で外壁・トイレ改修(教室棟等)や照明LED化(柔剣道場)などを行う計画だ。
増額の主因となった新クリーンセンター建設に伴う負担金は、清掃総務費(19億8837万円)の中から充当。現在、管内4市(南さつま、枕崎、南九州、日置)で構成する南薩地区衛生管理組合が南さつま市金峰町に整備中で、設計・施工は日立造船・極東開発工業・渡辺組・南生建設・小牧建設・上東建設JVが担当している。